物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

九ト協、国交省に要望 改善基準見直し 「守りたくても守れず」

団体

2015/03/30 0:00

 九州トラック協会(原重則会長)の首脳は24日、国土交通省を訪問し、田端浩自動車局長に改善基準告示違反に対する行政処分基準の緩和など規制見直しを求める要望書を手渡した。1月末、北海道で改善基準未順守を理由に30日の事業停止処分を受けた事業者が出たことを契機に、長距離運行のトラック事業者は危機感を募らせており、現行制度の見直しを求める動きが活発化している。  原会長、馬渡雅敏、草水正義の両副会長をはじめ、各県トラック協会のトップが同行した。  改善基準未順守1カ月31件以上の運転者が3人以上で、かつ拘束時間未順守の運転者が半数以上の事業所を30日の事業停止とする行政処分の基準や内容などの緩和、見直しなどが要望の柱。改善基準の拘束時間(1日原則13時間)を15時間、最大拘束時間(16時間)を18時間、運転時間(2日平均9時間)は11時間とするなど、上限時間の引き上げも求めている。  事業停止処分では処分基準と処分内容(30日の事業停止)の見直しを提示。法令順守に向け、他の営業所や他社の運転者との運転交代を可能にするための緩和、長い待機時間や厳しい輸送時間設定などを求める荷主への指導、勧告、元請け責任の明確化など、取引慣行の適正化に向けた新たな仕組みも盛り込んだ。  これらのベースとなったのが、九ト協が実施した事業者(31社)とドライバー(232人)への関東向け長距離運行に関するヒアリング。これによると、1回の運行日数は最短で3日、最長8日で、4日が最多だった。これを1日(24時間)当たりに換算すると、拘束時間15.2時間、運転時間10.1時間、休息期間8.8時間となり、改善基準の定める拘束時間、運転時間の原則をオーバー。  未順守項目では①連続運転時間4時間ごとに運転離脱30分未満=構成比29.7%②拘束時間16時間超=23.1%③休息期間が継続8時間未満、分割10時間未満=同となっている。  ドライバー調査では連続運転時間(4時間)で6割以上が未順守。2日平均して1日当たり9時間を超える運転も7割以上が「ある」と答えている。拘束時間が16時間を超える勤務も「ある」が6割を超えるなど、改善基準未順守が多くみられ、九ト協では「守りたくても守れない規制」と位置付けている。(北原秀紀) 【写真=田端局長(中央)に現状などを説明する九ト協首脳】





本紙ピックアップ

道北生乳輸送、将来の輸送力維持懸念

 北海道で生乳輸送の維持が課題となっている。毎日の稼働が前提となる上、酪農が盛んな地方部は人口が少なく、ドライバーを確保しづらい。特に都市間の距離が長い道北地域では、事業者は様々な方法で対応を模索している。一方、タンクの…

グローバルコミュニケーション協組/台湾人ドライバー、教育徹底受け入れ推進

 外国人技能実習生受け入れ監理団体のグローバルコミュニケーション協同組合(中村義文理事長、広島県呉市)は、台湾人ドライバーの受け入れを推進している。台湾は外免切り替え制度の特例対象国・地域に含まれ、技能・学科試験免除で切…

マグチグループ、大阪万博3カ月で渋滞・物流の混乱見られず

 大阪・関西万博の開幕から3カ月が経過し、会期も折り返しに入った。会場の夢洲(ゆめしま)や周辺道路では当初警戒されていた大規模な渋滞や物流の混乱は見られず、一種の静けさすら漂っている。万博の物流の前半について、住友倉庫グ…

SST/パレタイズ荷物の共配、年度内22線便→80線便

 パレタイズされた荷物をパレット単位から、幹線で定時・大量に共同配送するオープンプラットフォーム(OPF)を運営するヤマトグループのSustainable Shared Transport(SST、高野茂幸社長、東京都港…

オススメ記事

道北生乳輸送、将来の輸送力維持懸念

 北海道で生乳輸送の維持が課題となっている。毎日の稼働が前提となる上、酪農が盛んな地方部は人口が少なく、ドライバーを確保しづらい。特に都市間の距離が長い道北地域では、事業者は様々な方法で対応を模索している。一方、タンクの…

グローバルコミュニケーション協組/台湾人ドライバー、教育徹底受け入れ推進

 外国人技能実習生受け入れ監理団体のグローバルコミュニケーション協同組合(中村義文理事長、広島県呉市)は、台湾人ドライバーの受け入れを推進している。台湾は外免切り替え制度の特例対象国・地域に含まれ、技能・学科試験免除で切…

マグチグループ、大阪万博3カ月で渋滞・物流の混乱見られず

 大阪・関西万博の開幕から3カ月が経過し、会期も折り返しに入った。会場の夢洲(ゆめしま)や周辺道路では当初警戒されていた大規模な渋滞や物流の混乱は見られず、一種の静けさすら漂っている。万博の物流の前半について、住友倉庫グ…

SST/パレタイズ荷物の共配、年度内22線便→80線便

 パレタイズされた荷物をパレット単位から、幹線で定時・大量に共同配送するオープンプラットフォーム(OPF)を運営するヤマトグループのSustainable Shared Transport(SST、高野茂幸社長、東京都港…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap