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国交省、過疎地で共配や貨客混載検証 最終報告案を大筋合意

行政

2015/03/30 0:00

 国土交通省は24日、「地域を支える持続可能な物流システムのあり方に関する検討会」(野尻俊明座長、流通経済大学教授)の最終会合を開き、報告書案を大筋で合意した。宅配便の共同配送の枠組み構築や、バス、タクシーによる貨客混載、自家用車の活用といった取り組みを提示。2015年度に複数箇所でモデル事業を行い、地域のニーズに応じた制度の弾力的運用などを検証していく方針だ。(田中信也)  青森県深浦町と高知県大川村の事例を踏まえ、集配共同化と生活支援サービスの複合化などを行うため、課題解決に必要な取り組み、制度面への対応などを取りまとめた。  過疎地で物流と生活支援サービスを持続させるためには、「物流ネットワークの効率化」「生活支援サービスの維持・向上」「地域経済の循環促進」が必要――と強調。このため、「小さな拠点」を核とした新たな共同配送スキームの構築や、公共交通を活用した貨客混載の導入、特定非営利法人(NPO)による自家用有償運送の活用などに取り組むべき――としている。  このうち、共同配送では、宅配便各社の取り扱い荷物を一つの拠点(集配センター)に集約した上で、地域住民までの集配を①特定の物流事業者に集約②NPOなどに委託③バス、タクシー事業者に委託④NPOなどが荷物を区分けした上で、物流事業者またはバス、タクシー事業者に委託⑤物量に応じ軽貨物運送事業者を活用――することなどをイメージとして提示した。  これらの実現に向け、自治体や運送事業者など地域の関係者からなる協議会を設置。各者の連携と役割分担、費用負担などを構想段階から十分に話し合い、合意を得る必要性がある――としている。トラック、バス、タクシーの輸送モード間の連携や生活支援などサービスの複合化に当たっては、例えばトラックドライバーによる自動体外式除細動器(AED)の使用など「広範な業務知識の取得が不可欠」としている。  タクシーでの貨物取り扱いはできず、貨物の自家用有償運送も一部の特例を除き認められていない。また、共同配送を行う宅配便事業者間や宅配便各社とNPOとの契約、法的責任、関係事業法における位置付けの整理、高齢者の見守りサービスを行う場合の個人情報の取り扱い――といった課題が山積している。  こうした制度上の課題を解決するため、15年度にモデル事業を実施する。事業箇所など詳細は予算案の成立後に詰めていくが、5カ所程度になる見通し。  併せて、貨客混載や自家用有償運送に関する制度上の課題に対応するため、交通政策審議会交通体系分科会と、その下に設置している自動車部会で検討を継続。更に、事業を実施する上での制度上の課題に関する相談や情報提供を行うため、地方運輸局などにワンストップの窓口を整備する方針だ。  学識経験者や宅配便事業者などの委員は報告書案について、おおむね賛同している。  ただ、共同配送に関し、日本郵便(高橋亨社長、東京都千代田区)は「宅配便(ゆうパック)だけを共同にしても、郵便の配達があるので『分割ロス』が懸念される」と指摘した。  一方、ヤマト運輸(山内雅喜社長、中央区)は「過疎地での需要創出に取り組んでいるが、単独では難しく、日本郵便や佐川急便(荒木秀夫社長、京都市南区)、異業種と積極的に連携したい」と歓迎。その上で、「十分な準備無しに行えば混乱を招くので、事前のシミュレーションが重要」とクを刺した。  佐川急便は「2社に比べ1営業所がカバーするエリアは広く、これまでは協力事業者に委託してきたが、廃業が進んでいるため現行の集配体制が困難になっているので、積極的に取り組みたい」と前向きの姿勢を示した。  モデル事業には3社が参加する予定だが、各社で温度差があるため、実施に向けては曲折もありそうだ。 【写真=地域のニーズに応じた制度の弾力的運用などを検証していく方針】





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