だて高速運輸、マンツーマンでドライバー教育 同業者との連携強化
物流企業
2015/03/30 0:00
【広島】だて高速運輸(伊達康宏社長、広島県三次市)は、同業者同士の横のつながりを強化して人材不足に対応するとともに、輸送品質の更なる向上に力を入れている。伊達直樹専務(46)は広島県トラック協会北備支部青年部会の部会長を努めており、これまでも人脈を広げることで同業者との協力関係を広げてきた。 大型車を中心に20台を保有。デニムの生地を関西に輸送する一方で、帰り便では食品を運んでいる。廿日市市にも営業所を設置し、ドライバーの平均年齢は40歳前後と比較的若い。 伊達専務は「ドライバー不足は深刻な問題だが、誰でもいいというわけにはいかない。60歳代のドライバーが辞めたので、ハローワークを通じて募集し、幸いにも30歳代のドライバーを二人採用することができた。これからも、教育には力を入れていきたい」と話す。 ドライバー全員を集めることは難しいため、教育は専らマンツーマンで行い、事故防止対策などを徹底している。 証券会社出身で、20年前に家業を継いで入社した伊達氏は、運送事業ならではの苦労を経験してきた。阪神・淡路大震災や東日本大震災の時、自社車両が戻ってこなかった時の大変さが特に印象に残っているという。 「今は労働時間規制が厳しい。ドライバーを早く帰らせるため、荷物が多いときは我々が積み下ろしを肩代わりすることもある。できる限りコンプライアンス(法令順守)を徹底していきたい」 運送事業を取り巻く環境が変化し、明確な将来ビジョンを持つことが難しい中で、足元を固めるのが先決とみている。 「新規荷主を開拓しようとしても運賃が安く、新しい事業への進出は難しい。現状を維持しつつ、今の顧客を大事にしていきたい。当社では、デジタルタコグラフは装着していないものの、事故が少なく、損害保険の保険料割引率も最高ランクを維持している。デジタコは装着義務化を控えているので、いずれ導入して輸送品質を更に高め、同業者とのネットワークを深めていきたい」(江藤和博) 【写真=事故が少なく、損害保険の保険料割引率も最高ランクを維持】