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CLO選任義務化、更なるSC効率化見込む 物流人材輩出 環境整備つながるか

団体

荷主

2024/05/31 4:00

 4月26日に成立した物流効率化法で、大手荷主には物流に関する役員クラスの責任者の選任が義務付けられた。CLO(チーフ・ロジスティクス・オフィサー=最高物流責任者)とも称され、既に取り入れた荷主もあるほか、育成に向け業界団体も動き出している。CLOの設置で荷主の物流改善意識が高まれば、サプライチェーン(SC、供給網)の一層の効率化が見込める。物流人材の輩出に向けた環境整備にもつながりそうだ。(土屋太朗)

物流人材輩出 環境整備つながるか

 「2024年問題」がクローズアップされ、物流の課題解決には荷主の理解や取り組みが欠かせないとの認識が広がった。今回の改正法でCLOの選任が義務化されたことで、荷主にはより強い姿勢で物流改善を図ることが求められる。
 YKK AP(魚津彰社長、東京都千代田区)では、4月1日付で岩﨑稔・執行役員ロジスティクス部長がCLOを兼任した。国の動きに対して先行的に対応し、中長期的に物流に関する負担軽減や効率化を目指していく。
 業界団体の動きも活性化しつつある。日本ロジスティクスシステム協会(JILS、大橋徹二会長)は24年度の事業の一つにCLOに関する取り組みを掲げた。CLOの能力要件を整理するとともに、調査・研究活動を推進する。その上で、CLOが物流事業者や行政の担当者などと定期的に意見交換できる場を設置する方針だ。
 5月10日には「物流・ロジスティクスの革新へ~CLO法制化に向けた対策のポイント」と題したオンラインセミナーを実施。発着荷主の担当者が登壇し、それぞれの立場から、CLOに求められる役割などを解説した。
 一方、物流の標準化を図る「フィジカルインターネット」の実現を目指す一般社団法人のフィジカルインターネットセンター(JPIC、森隆行理事長)は6月13日、「CLO協議会」を立ち上げる。現在、CLOの定義について独自にまとめており、同日の協議会設立のシンポジウムでは、定義や物流事業者に求められることなどを発表する予定だ。
 森理事長(流通科学大学名誉教授)は「荷主は法律の枠内だけでなく、広い視点で物流を考えることが求められている」と説明。森氏によると、欧州ではCSCO(チーフ・サプライチェーン・オフィサー)の名称で設置が進んでいるという。日本ではCLOの名称が浸透する可能性が高そうだが、森氏は「物流だけでなく、SC全体を見ることで、本当の意味で効率化が実現する」と言及する。
 JPICでは協議会の設立を契機に、荷主だけでなく、物流やIT(情報技術)など幅広い企業の関係者が集まり、情報共有や意見交換が行える機会を提供したい考え。横の連携を促し、標準化や共同化を後押しすることでJPICの設立趣旨であるフィジカルインターネットの実現につなげていく。

大学教育が活性化?

 また、CLOの設置が進めば、将来的に物流人材の育成につながる可能性もある。森氏は「責任者は役員クラスであるため、それだけで現場のモチベーションは変わってくる。更に、CLOを経て経営トップになるケースも生まれれば、物流を学びたいと思う若者が増え、大学教育の活性化に結び付くかもしれない」と指摘する。
 物流の視点が経営には欠かせないとの認識がより広まれば、SC全体での改善の動きが活発になり、実運送事業者にとっても良い効果をもたらすだろう。一方、実運送事業者側も、こうした機会を捉え、現状の課題や荷主に求めたい対策などを積極的に発信していくことの重要性も増す。

フィジカルインターネットセンターでは6月にもCLO協議会を設立(2月のシンポジウム)

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