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高陽運送、タクシー事業へ参入 11月メド新社屋 地元企業を買収 女性運転者 積極採用

物流企業

2018/06/18 0:00

 【岩手】高陽運送(松尾孝社長、岩手県大船渡市)は大船渡市でタクシー事業に参入した。東日本大震災の影響で存続が厳しくなった会社を買収。地域の活性化へ向け、30年以上にわたって運送事業を経営してきた手腕で、立て直しを図っている。(今松大)  2月から営業を開始しており、5月末時点で6台が稼働。地元で長年愛されている大船渡タクシーというブランドを存続させ、全従業員を継続雇用した。運営会社の光陽商事の名称も、そのまま引き継いでいる。元々、運送会社の経営に専念してきた松尾社長だが、光陽商事に勤務する中学時代の同級生から相談を持ち掛けられたことがきっかけで、買収を検討するようになったという。  まずは、就業規則と給与体系の見直しから着手。次に、事業を軌道に乗せるため、11月をメドに新社屋と車庫を建設する予定だ。同市盛町にある現在の本社は、元々営業所としての位置付けだったが、茶屋前にあった本社が津波で全壊したことから、機能を移して営業。従来、本社のあった場所の近くに、既に300平方メートルの土地を取得済みだ。  また、現時点での保有車両は全てマニュアル(MT)車だが、順次オートマチック(AT)車に切り替えていく。車両を10台にして乗務員も増やす。  更に、車体をスカイブルーに統一して清潔感を強調するとともに、フレキシブルな勤務時間の導入なども進め、女性ドライバーを積極的に採用する方針だ。  松尾氏は「社名が似ていることに縁を感じた。震災後に会社へ残り、苦しい時期を乗り越えてきたドライバーらが頑張ってくれている。貴重な存在であり、大事にしたい。大船渡は復興需要が徐々に減ってきており、先が見通せない状況。今後を考えれば、ここで多角化に投資するのも一つの策だ。社内の環境と体制をしっかり整備すれば、ある程度やれる手応えを感じている」と意欲をみせる。 【写真=30年以上にわたって運送事業を経営】





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