ヨコレイ、冷蔵倉庫に予約システム導入 トラック待機時間を短縮
産業
2017/06/05 0:00
ヨコレイは、冷蔵倉庫でのトラックの待機時間短縮に向け、自社開発のトラック予約受け付けシステムを11月から導入する。ドライバーの労働環境改善を図ると同時に、作業効率化にもつなげる。5月31日に行われた決算説明会で、西山敏彦社長が明らかにした。(吉田英行) トラックの到着予定時間について、あらかじめ連絡を受け、到着するまでの間に出庫準備作業を行うことで、トラックの待機時間を削減。ドライバー、倉庫スタッフの労働時間を短縮し、作業の無駄も省く。 まず、今月15日に竣工する幸手物流センター(埼玉県幸手市)で準備を進め、11月から稼働させる。続いて、18年2月に完成予定の京浜島物流センター(東京都大田区)でも採用する。 同社ではこれまでも、事務所と現場の連携などで冷蔵倉庫でのトラック待機時間短縮に取り組んできたが、情報技術(IT)を活用し、更に効率化を進める。トラックドライバー不足が深刻化する中、他の冷蔵倉庫業者にもこうした動きが広まる可能性がある。 西山氏は「システムの効果を検証しながら、段階的に他の物流センターにも導入していく」と話した。 ヨコレイの16年10月~17年3月期の連結業績は、食品販売事業が好調に推移したため、売上高が前年同期比4.8%増の791億6700万円、営業利益は10.8%増の31億6千万円と伸びた。 ただ、冷蔵倉庫事業は、新設物流センターの稼働が好調だった一方、保管在庫の減少や人材採用に伴う人件費増加が響き、売上高は0.5%減の125億9600万円、営業利益が6.1%減の30億6500万円と伸び悩んだ。 17年9月期は、食品販売と冷蔵倉庫などを合わせて売上高1650億円(前期比11.0%増)、営業利益57億円(10.3%増)を予想。冷蔵倉庫事業では、売上高252億2600万円(1.8%増)、営業利益52億2400万円(9.1%減)を見込む。 【写真=冷蔵倉庫業界ではトラックが予約通りに来るか分からず、投資に踏み切れない(イメージ写真)】