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ダブル連結トラック、積載率向上へ取り組み

物流企業

行政

2024/05/21 4:00

 「2024年問題」対策で、政府は積載率の向上を重要課題に挙げている。ドライバー1人でトラック2台分の荷物を運ぶことができるダブル連結トラック(全長21㍍超フルトレーラ)の取り組みが注目されているが、駐車マスの不足や通行可能経路の少なさといった課題を抱えている。(根来冬太、田中信也、小菓史和)

駐車マス不足など課題

 政府は、30年度までにトラックの積載率を19年度比16%以上増加させるKPI(重要業績評価指標)を設定。具体的な施策として、ダブル連結トラック導入の促進、共同輸配送の推進などを挙げている。
 ダブル連結トラックの導入促進は、国土交通省の物流・自動車局ではなく道路行政を担当する道路局が主導する。予算規模も自動車局に比べ格段に大きい道路局が、これまでのインフラ整備から道路ユーザーの利便性向上にも政策のウィングを広げたことで、取り組みが加速した。
 19年に特殊車両通行許可基準が緩和され、連結長25㍍のフルトレーラ、いわゆるダブル連結トラックの走行を、新東名高速道路・海老名ジャンクション(JCT)―豊田東JCTで解禁。
 3月から西濃運輸(髙橋智社長、岐阜県大垣市)、日本通運(竹添進二郎社長、東京都千代田区)、日本郵便(千田哲也社長、同)、ヤマト運輸(長尾裕社長、中央区)が全長25㍍のダブル連結トラックを使った関東―関西の共同輸送を開始した。
 その後、東北自動車道・北上江釣子インターチェンジ(IC)―首都圏中央連絡自動車道(圏央道)―東名高速道路―名神高速道路・新名神高速道路―山陽自動車道―九州自動車道・太宰府ICまで拡大。22年11月に再拡大され、2050㌔だった対象区間が5140㌔まで拡充した。
 ダブル連結トラックを8編成所有(24年3月末時点)するセンコーは、関西―関東の輸送で活用。従来の大型車2台と比べて運転時間を40%、二酸化炭素(CO2)排出量を32%削減している。
 荷物が1編成に満たない場合でも、前後(10㌧車・セミトレーラ)に別々の荷主の貨物を積み、長距離幹線区間は連結してドライバー1人で運行、切り離し拠点で2台に分かれて納品先へ輸送する。
 同社は、更にダブル連結トラックの導入を加速させる。24年度に6編成、25年度には6編成、26年度に10編成をそれぞれ増やし、30年までに計100編成にする計画だ。運行経路についても、24年度に関東―中部の追加を予定。また、今後、関西―九州、関東―東北のルートも増やす。

インフラ整備必須

 ダブル連結トラックの普及には、トラックの連結と休憩が可能な駐車スペースなどインフラ整備も不可欠だ。NEXCO3社は23年9月末時点で、全国で269台分の優先駐車マスを整備。更に、21年4月に中日本高速が東名・足柄SA(上り)など3カ所で専用の予約駐車マスの運用を開始、24年3月からは東日本高速も東北道・那須高原SA(同)で運用をスタートしている。ただ、センコーによると、予約駐車マスは依然として足りないという。
 また、一般道のみの申請ができないため、通行できる経路が限られている。特車通行申請手続きは申請から許可までに長期間(約3カ月)を要する。センコーは、特車通行申請手続きの処理時間の迅速化と利用可能道路(高速道路)の拡張の必要性も指摘する。
 このほかにも、大型車を2台購入するよりも高い車両価格(大型車2台の相場価格は約2800万円、ダブル連結トラックは約4200万円)、乗務可能なドライバーの確保といった問題もあり、課題が山積みの状況だ。人手不足対策として更なる普及を目指すには、車両導入への補助金の支出や運転要件の緩和などが求められている。

センコーのダブル連結トラック「物流バス」

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