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共同配送、「競争しない」一般化へ

物流企業

荷主

2024/05/24 4:00

 「2024年問題」対策で積載率の向上が求められる中、様々な業界で共同配送の取り組みが進んでいる。運用体制を工夫したり、モーダルシフトを活用したりして更なる効率化に成功している事例もある。人手不足などで「物流危機」が強く訴えられる中、「物流分野では競争しない」ことが一般化しつつあるようだ。(特別取材班)

様々な業界で取り組み

 共同輸配送の促進は、国土交通省の物流・自動車局が主導してきた。14年度に「共同輸配送促進に向けたマッチングの仕組みに関する検討会」を設置。マッチングシステムの課題・運用上の改善点を整理し、年度末に調査報告書を取りまとめた。
 23年度には補正予算で、「物流標準化促進事業費補助金(物流データの標準化促進に向けたオープンプラットフォーム構築支援事業)」(予算額1億4千万円)を創設。物流・商流情報のオープンプラットフォームの構築や運営を行う事業に要する経費の一部補助などを行った。
 こうした中、働き方改革、人手不足などで共配の需要が高まり、運行を始める事例が相次いでいる。加工食品メーカー6社(味の素、カゴメ、日清オイリオグループ、日清製粉ウェルナ、ハウス食品グループ本社、Mizkan=ミツカン)は15年、「F-LINEプロジェクト」を立ち上げた。加工食品の同業他社が手を組み、共配による新たな物流プラットフォームの構築を目指している。
 同業者だけでなく異業種とも積極的に推進するのは、取次大手のトーハン(近藤敏貴社長、東京都新宿区)だ。衣料品と雑誌の共配に取り組んでいる。
 コンビニエンスストアでの受け取りを選択すると送料が衣料品メーカーの負担となる商品を、出版物と一緒に配送する。首都圏の店舗向けの衣料品は埼玉県にあるトーハングループの物流拠点に集約して店舗ごとに仕分けし、順次配送。現在、セブン-イレブン・ジャパン(永松文彦社長、東京都千代田区)向けの雑誌配送を担当しており、日本出版販売(奥村景二社長、同)が担うファミリーマート(細見研介社長、港区)とローソン向けの配送も25年3月をメドにトーハンに集約する。

運用面「試行錯誤」

 共同配送の運用は、各社で試行錯誤が進む。F-LINE(本山浩社長、中央区)は、北海道で16年4月に開始した共配の保管・配送拠点に関して、それまでの2カ所を23年10月から1カ所(札幌市白石区)に集約。F-LINEプロジェクトに参加するメーカー6社の共同保管・配送を実施している。
 更に、定期海上輸送を中部・関西から九州に向かうルートで24年3月からスタート。これまではメーカーが同ルートの輸送手段を個別に手配してきたが、各メーカーと共同でのモーダルシフトを通じて24年問題への対応を図る。
 医療、医薬品関連の共配を手掛ける光陽商事(西野嘉一社長、大阪府門真市)は、需要の増加に対応するため、3月に愛知県豊田市の倉庫(東海RDC)を一宮市に拡大移転している。東海RDCの稼働で目指すのが「脱路線化」の試みだ。
 以前は、同じ納品先に対して関西から路線便で届ける一方、東海からも配送するなど車両、人員が増えてしまっていた。荷主との交渉でリードタイムを1日から2日にしたことから、関西からの荷物は東海RDCに集約後、愛知、岐阜、三重、静岡の各県の病院や医療施設などへ運ぶ態勢を整えている。
 運行ルートの再編や協力運送事業者探しなどの煩雑さはあるものの、積載率向上が求められる中で共配は更なる拡大を見せそうだ。また、トーハンは荷量が減少する出版物輸送を維持するために他業種と推進する狙いもあり、こうした観点での異業種間の協業も増えていくだろう。


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