大貨協連、与党に要望 大口多頻度50%恒久化
【大阪】大阪府貨物運送協同組合連合会の中川才助会長は10月23日、自民党大阪府連(中山泰秀会長)と公明党大阪府本部(佐藤茂樹代表)を訪ね、高速道路通行料金割引制度に関する要望書を提出した。 澤田時雄、重博文の両副会長も出席。自民党大阪府連の稲垣克彦事務局長、公明党大阪府本部の大山明彦副幹事長とそれぞれ面談し、要望書を手渡した。 日貨協連、大口・多頻度割引制度を利用する傘下20協組と連名で提出。最重点事項として、大口・多頻度割引最大50%の恒久化、首都高速道路における大口・多頻度割引と高速道路会社間の乗り継ぎ割引の継続、本州四国連絡高速道路の割引拡充を挙げた。更に、個別要望事項では、長距離事業者が利用しやすい深夜割引の拡充、平日朝夕割引適用時間帯における大口・多頻度割引の適用、国費などの投入による割引財源確保を求めた。(小菓史和) 【写真=自民党大阪府連の稲垣事務局長に要望書を手渡す中川会長(左から2人目)ら】
【福井】福井県トラック協会(清水則明会長)は10月18日、「スポーツGOMI拾い大作戦」を福井市内で初開催した。ゴミ拾いをチーム単位で競い合うイベントで、会員企業や一般の家族連れなど43チーム171人が参加した。 福井県との共催で、トラック業界が行う環境問題対策への理解を進め、取り組みをPRするのが目的。清水会長は「我々、福井ト協では、事故防止環境対策労働力対策、法令順守などを積極的に進めている。当イベントでは、皆さんと一緒に環境美化に取り組みたい。爽やかな天候の中、爽やかな汗を流し、爽やかな街にしていこう」と呼び掛けた。競技では、3~5人でチームをつくり、制限時間内に拾い集めたゴミの質と量をポイントで争った。安全確保と不正防止のため、青年部会(佐治覚栄部会長)メンバーが各チームに審判として同行。また、女性部会の睦実会(伊藤京子会長)は計量とポイント集計を行った。1時間で計82キロのゴミが集まり、上位3チームには賞状とフルーツ盛り合わせなどの副賞が贈られた。 本部の中山武専務は「以前から、環境美化活動の一環で植樹などを実施してきたが、今回は参加型イベントを行った。家族連れ、小中高生、地元スポーツチームなど参加者も予想以上で、トラック業界の良いPRになった」と話した。(星野誠) 【写真=参加者全員で記念撮影】
【北海道】北海道トラック協会(伊藤昭人会長)と札幌地区トラック協会(奈良幹男会長)、札ト協の後志支部(鴋ばん沢ざわ善吉支部長)は10月21日、道や泊村、共和町など13町村が主催する北海道原子力防災訓練に参加し、救援物資の緊急輸送を行った。 後志管内内陸部で震度6強の地震が発生し、北海道電力泊発電所1~3号機の原子炉が自動停止した後、異常が確認され、発電所から半径30キロ圏内の住民が緊急避難した――と想定。緊急事態応急対策拠点の施設運営や対象区域の住民避難、緊急時連絡通信、緊急時環境放射線モニタリングなど各種訓練を実施した。 緊急物資輸送訓練では、札ト協後志支部のトラックが札幌から後志総合振興局まで衣料品や日用品、医薬品などを詰めた段ボール30箱を運搬。到着後、物資は自衛隊真駒内駐屯地の装甲車2台に積み替えられ、避難所へ届けられた。(大島杏奈) 【写真=トラックから緊急物資を詰めた段ボールを下ろす】
名古屋港管理組合は、名古屋港の基本計画を取りまとめ、これに沿ってターミナル機能の強化・拡充に努めていく方針だ。新ターミナルを海上コンテナのストックヤードとして活用し、物流機能を強化するとともに、利用者へのサービスを充実。公共ふ頭などのヤードを集約し、完成車輸送を効率化する。(梅本誠治) 同組合は10月26日、名古屋港基本計画検討委員会(須野原豊委員長)が取りまとめた最終報告を公表。検討委は、名古屋港の物流面での役割として「自動車や航空宇宙を始めとするモノづくり産業の国際競争力強化を支援」していく必要性を示した。具体的には、20年先の長期計画を検討した上で、10年後までに実行する基本計画を立案。各施策は、名古屋港埠頭(生田正治社長、名古屋市港区)が行う。 海上コンテナ輸送では、船舶の大型化に対応するため、水深を確保するまた新たなターミナルを整備して用地を拡張し、コンテナのストックヤードとして活用。物流機能を強化するとともに、コストとサービスを充実させる。 海上コンテナ輸送と同様に、船舶の大型化が進む完成自動車輸送については、保管用地を拡大。公共ふ頭の弥富ふ頭、稲永・潮凪ふ頭にあるヤードを金城ふ頭に集約し、専用ふ頭の新宝ふ頭とともに効率化する。 バルク輸送では、11年に選定された国際バルク戦略港湾としての機能を拡充。計画には、中部地方の発電燃料として使用割合の高いLNG(液化天然ガス)の効率的な利用、穀物を輸送するポストパナマックス船に対応するための岸壁整備などを盛り込んだ。 また、道路インフラについては、港湾と後背地を結ぶ広域幹線道路と港湾道路の整備により、新たなネットワークを構築。特に、飛島―弥富ふ頭に4車線の海上横断道路を新設することで、飛島―弥富―鍋田ふ頭のコンテナ輸送の効率を格段に向上させたい考えだ。 名古屋港は、2014年の総取扱貨物量が2億762万トンで、02年から13年連続で全国首位を達成。貿易黒字額も5兆6590億円と、2位の横浜港(2兆5060億円)以下を大きく引き離している。また、領域は名古屋市、東海市、知多市、弥富市、飛島村の4市1村にわたり、臨港地区は4200万平方メートルと日本最大の規模を誇る。 【写真=海上コンテナ輸送では、船舶の大型化に対応するため、水深を確保する(飛島ふ頭)】
食品・酒類卸大手の国分(国分勘兵衛会長兼社長、東京都中央区)と丸紅は、食品卸事業で業務提携する。両社の中核子会社に相互出資することで提携関係を強化し、食品卸事業の新たなビジネスモデルを構築。物流業務については、冷凍・冷蔵倉庫を中心とした施設の共同利用や統廃合などを行い、市場での競争力強化や業務効率化を推進する。(高木明) 10月28日の共同記者会見には国分の国分会長兼社、丸紅の国分文也社長らが出席し、業務提携の経過合意内容と今後の取り組みなどを説明した。 国分は、丸紅子会社で冷凍食品卸大手のナックスナカムラ(前田一郎社長、大阪市淀川区)に51%出資し、傘下に収める。更に、菓子卸子会社、山星屋(小西規雄社長、同市中央区)にも20%出資する。一方、丸紅も国分の中核子会社、国分首都圏(内藤悟社長、東京都江東区)の株式の20%を取得し、連携体制を強化する。 両社は物流業務の効率化・合理化に取り組む。国分は全国に200カ所の物流センターを配置しているが、現在、3温度帯対応の大型物流センターへの切り替えを全国規模で推進。一方、ナックスナカムラでは、低温物流センターを全国37カ所に持っている。今後は物流センターの相互利用、配送業務の共同化、情報シテテムの共有化、更には重複する物流施設の統廃合なども進めていく。 業務提携の話し合いは2014年末から本格的に始めた。15年内には正式な契約を交わし、16年2月末までには相互出資を完了させる。近く、両社のスタッフで構成する提携推進委員会を設置し、具体的な取り組み事項を抽出し、事業のスタートに向け体制を整える。 食品卸業界では、競争の激化などから合従連衡による業界再編の動きが活発化している。会見で、国分の国分氏は「両社の保有する経営資源の活用による協業を通じ、食品卸事業の新たなビジネスモデルを構築したい」と強調。また、丸紅の国分氏も「両社の協業では、当社の持つグローバルな商品調達力を最大限生かしていく」と語った。 【写真=会見後、握手する国分の国分会長兼社長(左から2人目)と丸紅の国分社長(その右)ら】
【宮城】山藤運輸(佐藤一四郎社長、宮城県南三陸町)は、南三陸町が掲げているバイオマス産業都市構想の一環として、液体肥料の運搬と散布を本格的にスタートさせた。 同構想は、町内での地域資源の循環利用を目指すもので、東日本大震災からの復興に取り組む同町では、2014年3月に国から認定を受けている。同年7月、産業廃棄物のリサイクルなどを営むアミタ(熊野英介社長、東京都千代田区)と連携して、事業を進めてきた。 10月16日同町志津川に、バイオガス施設の南三陸BIO(ビオ)が完成した。町内の住宅や店舗から排出される生ごみ、し尿、汚泥などの有機系廃棄物を発酵処理し、バイオガスと液体肥料を生成。ガスは発電して施設内で使用し、液体肥料は農地に散布してコメや野菜を育てる。処理能力が1日当たり19.5トン、発電量は年間21.9万キロワット時で、肥料の生産量が年間4500トン。 山藤運輸は、新たに導入した3.7トンのバキュームカーで液体肥料の運搬を請け負うとともに、春から稼働させた2.5トンの散布車を使って肥料の散布も手掛ける。循環社会への取り組みをモチーフにしたオリジナルキャラクターの「メタンくん」と「めぐりんちゃん」を大きくラッピング。一般市民や観光客に広くアピールしていく。 施設の竣工式で、佐藤仁町長が「本町が目指す構想の中核をなす施設が完成し、大変うれしい。資源を再利用する仕組みが整い、地域循環型の街づくりを具現化できる」とあいさつ。 山藤運輸の佐藤克哉常務は「運ぶをテーマに地域貢献したいと考えていた。バイオマス都市構想の象徴的なモデルとなり、復興だけでなく、その後の雇用の受け皿にもなれば」と意欲を見せた。(今松大) 【写真=バキュームカーと散布車で、液体肥料の運搬と散布を手掛ける(右から2人目が佐藤常務)】