上伊那輸協、トラックの重要性PR ラジオで生放送
【長野】長野県トラック協会の上伊那地区輸送協議会(小池長会長)は3日、トラックの日フェスティバルを開催した。会場には新型の低公害車、パトカー、白バイ、消防車に加え、自衛隊車両も展示。催しの様子はFMラジオ番組で生放送され、トラックの重要性を広く県民にPRした。 小池会長がゲストとして番組に出演。2014年2月の大雪で物流が滞った事例を挙げ、「空気や水と同じように、無くなって初めて存在が分かる。それほどトラック輸送は身近にあり、日々の生活を支えている」と説いた。 上伊那貨物自動車(小池社長、駒ケ根市)の本社構内に、B級グルメを始めとする屋台、生鮮品の産地直送販売、各種ゲームコーナーなどを設けた。勇壮な信州辰野太鼓の演奏で幕を開け、新聞の折り込みチラシ裏面の塗り絵を持参した先着600人に、漏れなくキャラクターグッズが当たる抽選会も実施した。 トラックステージでは、長野県ご当地アイドルグループの「オトメ☆コーポレーション」がライブを披露。終了後は、熱狂的なファンや子供たちと握手し、記念撮影にも応じていた。なお、イベント前には自民党代議士の宮下一郎氏(長野5区)も駆け付け、応援メッセージを送った。(河野元) 【写真=ライブを披露するご当地アイドルのオトメ☆コーポレーション】
【愛媛】愛媛県トラック協会(一宮貢三会長)は、中国四国地方のトラック協会では初となる女性協議会を発足させた。9月28日に設立総会を開催し、初代会長に大豊陸送(松山市)の柴田智恵社長(53)が、副会長には松山宅送(同)の末広恵社長(59)と中島運送(同)の山崎八生取締役(54)が、それぞれ就任した。(矢野孝明) 設立時の会員数は24社、24人で、8月21日に行った準備会の出席者16人から増えた。会員各社の経営トップや役員だけでなく、実務担当の管理者も複数加入している。 柴田会長は「リーダーシップの経験や力は無いが、力強い仲間を得ることができ、やっていける気持ちになった。人材確保が課題となっているが、女性が活躍しやすい社会は、男性にとってもメリットがある。この協議会が少しでも業界のけん引役になれれば幸いだ」と抱負を述べた。 また、一宮会長は「8月28日に女性活躍推進法が成立し、産業界全体で女性の活躍が加速すると期待されている。ぜひ提言を行い、会員企業にも広く発信してもらいたい」と激励。愛媛運輸支局の一宮軌善支局長も「男性では気付かないようなきめ細やかな提案で、旧態依然とした業界に風穴を開けて欲しい」との言葉を贈った。 事業計画では、情報交換や研修会、社会貢献活動などを推進。女性視点での提言により、人材確保対策や労働環境改善などに寄与することを目的に活動していく。初年度の予算は66万円。 他の役員は次の各氏。理事=十河万姫(四国通商)▽戸井純子(第一加工産業)▽大西英美(丸三急送)▽稲田優枝(稲田運送) ▽浦中さゆり(ガイヤエクスプレス) 監事=増田照美(増田重機)▽原洋子(原運輸) 【写真=柴田会長(中央)と末広(右)・山崎両副会長】
【福井】福井県トラック協会女性部会の睦実会(伊藤京子会長)は9月27日、新たに製作したトラガールTシャツのお披露目を行った。 同日開催したトラックフェスタ(大野町)に合わせ、メンバー人数分の15枚を作ったもの。白地のTシャツの胸部分に、トラガールの公式ロゴマークを大きく入れている。 伊藤会長は「2年前に黄色いジャンパーをそろえているが、Tシャツは初めて。女性活用促進のため、各種イベントなどで、どんどん着用したい」と話した。 福井運輸支局の長谷川雅巳支局長も「女性ドライバーを増やす取り組みを進めているが、睦実会は積極的にPRしてくれている。今後の活動も期待したい」とエールを送った。(星野誠) 【写真=トラガールTシャツを披露する伊藤会長(左端)ら】
北陸地域国際物流戦略チーム(藤山秀章座長、北陸地方整備局長)の広域バックアップ専門部会(柳井雅也座長、東北学院大学教授)は、太平洋側の大規模災害時における北陸の港湾を活用した代替輸送計画の策定に取り組む。北陸地方整備局、北陸信越運輸局など産学官で構成する組織で、2日の会合で最終目標として確認した。2016年度末の完成を目指す。(河野元) 総合物流施策大綱に基づき、06年に設置された組織。いったん終了したものの、東日本大震災の発生や日本海側拠点港湾の選定を機に再開した。同部会では、太平洋側の災害を想定し、社会インフラの確保、事業継続計画(BCP)の充実支援、情報共有――の3項目について、12年度から検討している。 これまで、コンテナ貨物量の試算から手引書の作成、図上での代替輸送訓練、ポータルサイトの開設まで、様々な活動を推進。訓練は東京と愛知の2カ所で実施し、関係者の連携強化に寄与した。 また、インターネットの効果的利用の提案を受け、専用サイトも立ち上げた。北陸地整局のホームページ(HP)内にあり、港湾空港部のページにバナーを設置。現時点では、他のHPとリンクさせ、管内各港の基本情報や道路交通情報を閲覧できる。 策定する代替輸送計画は、バックアップに対する理念形成、役割の明確化、港湾インフラの信頼性向上――を図るのが目的。北陸地域での支援体制が十分機能することをアピールする狙いもある。 今回の会合では、名古屋港から金沢港への代替モデルケースも取り上げて意見を交換。メンバーからは、緊急物資輸送ルートについて、万が一の際にも問題なく使えるよう、平時からの利用を求める指摘が出た。受け入れる港湾のキャパシティーが限られているため、国や県、企業など、連携の重要性も改めて認識された。 【写真=名古屋港から金沢港への代替モデルケースも取り上げ意見交換】
国土交通、経済産業の両省は、自動走行の将来像の確立と実現に向け、産官学による検討に着手した。両省が設置した「自動走行ビジネス検討会」(鎌田実座長、東京大学大学院教授)による6月の中間とりまとめを受け、日本で実現すべき価値やトラック隊列走行といった自動走行の形態について議論を深め、2015年度末までに一定の結論を導き出す方針だ。 検討会が示した課題を産官学の連携で深掘りするため、9月29日に将来ビジョン検討ワーキンググループ(WG)を立ち上げた。 WGでは、30年ごろまでに実用化が期待され、産官学が連携して取り組むべきアプリケーション(具体的な自動走行の種類)を特定するほか、その実現に必要な技術と制度・事業環境に関する認識を関係者で共有。産官学が協調して取り組むべき課題と今後の方針について検討していく。 中間とりまとめでは、実現すべき価値として「安全・安心」「環境・エネルギー」「労働力不足」「自動車利用環境の向上」を提示。これらを具体化するアプリケーションとして①デッドマンシステム(急な体調不良に対応した自動操作)②トラック隊列走行③ラストワンマイル自動走行④自動駐車――などが例示された。WGの初会合では、アプリケーションの特定に向けた課題について意見が交わされた。 なお、WGの発足に当たり、経産省製造産業局の伊吹英明自動車課長が「関係者が協調する領域と、競争する分野を切り分けた上で、将来像を確立する必要がある。その上で国による支援の在り方を示したい」と強調。国交省自動車局の島雅之技術政策課長も「自動走行は交通事故削減に加え、渋滞緩和、高齢者支援の面でも期待が高い。世界をリードできるよう活発な議論を展開したい」と抱負を述べた。(田中信也) 【写真=自動走行の形態について議論を深め、結論を導き出す】
大塚倉庫(浜長一彦社長、大阪市港区)は2日、神戸市北区に医薬品専用の物流拠点、西日本ロジスティクスセンターを1日に竣工した、と発表した。敷地面積4万760平方メートル、鉄筋コンクリート造り4階建てで、延べ床面積3万1170平方メートル。両面バース方式を採用し、ドックレベラー1基を備え、トラック9台が一度に荷役を行える。倉庫部分の有効天井高は4.7メートルで、耐荷重は平方メートル当たり2トンを確保した。各階は最大積載量4.5トンのエレベーター1基と2トンの垂直搬送機3基で結ばれ、効率良く入出庫作業ができる。 今後30年間で震度6以上の地震発生確率が6%以下と地震リスクの低い立地だが、免震構造を取り入れた。72時間連続運転可能な自家発電装置に加え、全館セキュリティー管理、自動温度管理システム、防虫対策といった医薬品の物流品質向上のための設備を整えた。 竣工式で、浜長社長は「災害時に必要な医薬品の安定供給を可能にし、患者の治療に貢献できると確信している」と述べた。(小菓史和) 【写真=72時間連続運転可能な自家発電装置を導入】
ウィンコーポレーション(中村真一郎社長、東京都千代田区)は1日、サッカーのイングランド・プレミアリーグで活躍するサウサンプトンFCの吉田麻也選手を、グループ企業のイメージキャラクターに起用した、と発表した。吉田選手が同社の運営するアスリート支援プロジェクト「ウィンアスリートクラブ」の取り組みに賛同し、実現した。 吉田選手の誰からも愛されるキャラクター、真面目で挑戦し続ける精神、ディフェンダーとしてチームを支える活躍が、同社の目指す「社会基盤を支える産業の一員として、誇りとチャレンジ精神を忘れずに挑戦を続ける企業」という理念と重なった。 吉田選手は「今オフに中村社長にお会いして、感銘を受けた。ウィンコーポレーションの企業活動の顔として広告出演できることを大変うれしく思う。キャッチコピーの『いい顔になれる仕事』を証明できるよう、精いっぱいプレーしていく」とコメントしている。 ウィンアスリートクラブは、夢と未来に向かってチャレンジするアスリートを様々な形で応援するプロジェクト。オリンピック候補選手の雇用、引退後のアスリートのキャリア支援などを行っている。(高橋朋宏) 【写真=ウィンアスリートクラブの広告】
両備ホールディングスグループの情報サービス会社のリオス(松田久社長、岡山市中区)は、タブレット(多機能携帯端末)と体温計、血圧計などを連動させ、ドライバーの健康状態を客観的に判断できる点呼・健康管理システム「点呼・健康ご安全に!」を開発した。運輸交通事業者向けに販売している。(田中信也) 運輸交通事業者のドライバーの健康状態に起因する事故が近年、多発している。異変の察知には乗務前の仕業点呼が重要だが、「通常の点呼では、ドライバーは異変を感じても『大丈夫』と言う」(橋本渉事業開発室長)ため、運行管理者などが事前に把握することは難しい。 これまで運行管理者の判断に頼ってきた仕業点呼を、数値に基づき客観的に行うことで、事故を抑制することが目的。バス、トラックなど交通運輸事業を幅広く展開する両備グループの中核を成す両備バス(社内カンパニー)と共同開発した。グループの3社11営業所で運用しており、3月末までにトラック事業の両備トランスポート(同)を含むグループ全ての道路運送事業者の営業所に配備するとともに、広く販売していく。 システムは、免許証をICカードリーダーにかざすことで確認作業を開始。これにより免許証の不携帯や、更新忘れを防止する。ここを通過すると体調履歴確認(ヘルスチェック)画面に移り、体温、血圧、血糖値の計測結果をリーダーから送信、数値による客観的な体調管理と、履歴との比較が可能になる。 【写真=タブレットと体温計、血圧計などが連動】
全日本トラック協会(星野良三会長)の第20回全国トラック運送事業者大会が1日、金沢市で開かれ、全国から1400人が出席した。荷主との協働による長時間労働の削減、高速道路料金における大口・多頻度割引率最大50%の恒久化、大規模災害発生時の緊急輸送体制の確立など諸課題の解決に向け、一丸となって難局を突破していくことを誓い合った。(渡辺耕太郎) 星野会長が「9月30日、13回目のトラックの森記念植樹式が石川県の森林公園で行われた。植樹を通して、地球温暖化防止、環境保全の意識向上にトラック事業者として貢献していきたい」とあいさつ。 また、「トラック業界は人手不足に加え、労働時間規制の強化などにより、長距離輸送からの撤退、運送コストの高止まりが続いている」と指摘。「荷主の理解と協力を得ながら、長時間労働問題の解決に取り組んでいきたい。明るい未来へ向かって、頑張ろう」と強調した。 開催地を代表して、北陸信越ブロックトラック協会の小林和男会長が「1400人余りの皆さまにお越しいただき、心より感謝を申し上げる。北陸新幹線が3月に開通し、絶好の時期に金沢で全国大会を開催できたことをうれしく思う。依然として厳しい状況にあるトラック業界だが、結束を固め、乗り切っていこう」と呼び掛けた 小林氏を議長とする議長団を選出。第1分科会と第2分科会に分かれ、それぞれ「トラック業界の交通安全対策の推進」「トラック業界の人材確保及び育成」をテーマに、パネリストによるプレゼンテーションで議論を深めた。 記念講演では、和倉温泉の老舗旅館、加賀屋の小田貞彦相談役が「おもてなしの心で世界をねらう」と題して講話した。 全体会議の再開後、石川県トラック協会青年部会の坂池克彦部会長が、原価管理に基づく適正運賃の収受、法令順守の徹底、交通・労働災害事故の防止及び環境・省エネ対策の推進――など8項目の大会決議を読み上げ、全会一致で採択。長時間労働の縮減を目指し、手待ち時間の削減や付帯業務の有償化に向け、運送業界の総力を挙げて取り組む決意を新たにした。 石川県の谷本正憲知事が祝辞を述べるとともに、国土交通省の藤井直樹自動車局長が太田昭宏国交相のメッセージを代読。続いて、次回開催地を代表し、中国トラック協会の小丸成洋会長が「1年かけて、しっかりと準備していく。米子でお会いしましょう」と歓迎メッセージを述べた。第21回大会は2016年10月6日、鳥取県米子市で開催される。 石川県トラック協会の田内満喜夫副会長が音頭を取り、「ガンバロー」コールを唱和。富山県トラック協会の綿貫勝介会長は「この大会で一致団結できたことを心から感謝したい」と全体会議を締めくくった。 【写真=「荷主の理解と協力を得ながら長時間労働問題の解決に取り組んでいきたい」と星野会長】
【岩手】ドライバーのかっこいい姿を一般市民に知らせたい――。こうした熱い思いで取り組んでいるのが、県ドライバーコンテスト優勝者によるトラックの日常点検実演だ。2014年に二戸市で開催されたトラックフェスタから取り入れており、今回で2回目となる。 7月の県大会で優勝した坂本浩さん(35、日本通運盛岡支店)が、ギャラリーの見守る中、大きな声と躍動感あふれる動きで力強く点検を披露。その模様は、ステージ上の大型モニター画面にも映し出された。 また、県大会の様子もダイジェストで上映。普段は見ることができないドライバーのかっこ良さにスポットライトを当て、来訪者へ存分にアピールした。 コンテストで坂本さんは11トン部門に出場。他部門を含めた最高得点で栄冠を手にした。10月24、25の両日に茨城県ひたちなか市で開かれる全国大会への出場も決めている。(今松大) 【写真=力強く点検する坂本さん】