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四国フェリーRORO船推進協、陸海空のベストバランスを シャシーヤード確保へ

団体

2017/11/30 0:00

 四国地方整備局と四国運輸局が主催する「四国におけるフェリー・RORO船を活用した物流効率化推進協議会」(土井健司座長、大阪大学大学院教授)は21日、高松市で会合を開き、第2回会合(3月13日)で委員から出された提言に対する取り組み状況などを報告した。  四国地整局の元野一生次長が主催者を代表してあいさつし、「昨年11月に協議会が発足してから目まぐるしい動きがあったが、フェリーによるトラックの輸送台数は増えており、それに伴って四国各港における積み残し貨物も増加傾向にある。持続可能なシステムを構築し、陸海空の輸送モードがベストバランスを取れるようにしていかなければならない」と述べた。  また、土井座長は、7月に発表された2017~20年度の総合物流施策大綱にモーダルシフトへの言及があまり無かったことに触れ、「国としてそれほど力を入れてくれないという思いはある。制度改正や予算の概算要求に力を入れていただきたい」と語った。  フェリーによるトラック輸送台数は、特に四国と近畿を結ぶ航路で増加が顕著で、四国―九州、四国―関東も堅調。これに伴って航路開設や船舶大型化の動きが活発になっており、18年夏には四国開発フェリー(瀬野洋一郎社長、愛媛県西条市)が東予港(愛媛)―大阪南港(大阪)に就航するフェリー2隻を新造船に入れ替える予定。  ただ、特に中長距離航路で貨物の積み残しの発生した便数が多く、三島川之江港(愛媛)では14年度から3年連続で増加し、17年度では288便に達している。  こうした状況の中、前回会合では委員から、海上輸送と高速道路輸送の連携促進、フェリーターミナルの整備促進、無人化航送の増加に伴うシャシーヤードの確保――など9項目の提言が出た。  今回の会合では、四国地整局と四運局が提言ごとに現状を説明。ターミナル整備については「18年夏にフェリー岸壁(水深7.5メートル)を供用開始する東予港では新造フェリーを投入する予定。八幡浜港(愛媛)でもフェリーが利用する岸壁(水深6メートル)を整備中」とした。  また、シャシーヤードの確保は「高松(香川)、三島川之江、新居浜(愛媛)、八幡浜の各港で要望を受けており、必要なヤードを精査し、関係者間で共有を図っていく」と報告。更に、入港料に関しては「入港1回ごとに徴収する四国の港湾に対し、大阪港などは一日複数回入港する船舶に対して回数に応じた免除・減免措置がある」と現状を説明し、今後の検討課題とした。  協議会では現在、海上輸送へのモーダルシフトが考えられる15品目を抽出しており、今後シミュレーションの実施も検討。次回会合は18年2月ごろ開催する。(江藤和博) 【写真=前回会合で委員から出された提言に対する取り組み状況などを報告】





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