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LNGバンカリング/シンポジウム、世界的供給網を構築へ 安価な調達めざす

行政

2017/04/10 0:00

 港湾で船舶用燃料として液化天然ガス(LNG)を供給する「LNGバンカリング」の推進に向け、国土交通、経済産業の両省は3日、横浜市で国際シンポジウムを開いた。関係者によるパネルディスカッションなどが行われ、世界的な供給網構築への可能性を探った。  国際海事機関(IMO)が2020年から、日本を含む一般海域での硫黄酸化物(SOX)規制強化を決めたのを受け、LNGを燃料とする船舶の普及が見込まれている。  国交省では、横浜港にバンカリングのモデル拠点を整備する方針で、世界的な供給網構築を図るため、日本は7カ国8者の港湾当局が加わる覚書にも署名している。シンポジウムは関係者の取り組みを促進するため開催された。  石井啓一国交相が「国際的ネットワーク構築を加速させ、国際社会が進むべき道を示すシンポジウムとなることを願う」とあいさつ。高木陽介経産副大臣は「横浜港はLNGバンカリングビジネスモデルの有力エリア。供給者と需要者の協力でプロジェクトを進めることが大事」と話した。また、横浜市の林文子市長も「バンカリングが横浜港の競争力強化につながるよう、しっかり取り組んでいく」と意欲を示した。  シンガポールのコンサルティング会社ファクツ・グローバル・エナジーのフェレイダン・フェシャラキ会長は「IMO規制とチャレンジ~LNGバンカリングの新たな役割」と題して講演。  パネルディスカッションでは、横浜川崎国際港湾(横浜市西区)の諸岡正道社長がモデレーターを務め、日・米・シンガポールの船社、港湾当局などの関係者がパネリストとして参加した。  日本郵船の内藤忠顕社長は「航路の定まっているコンテナ船、自動車専用船、鉱石運搬船に加え、内航フェリーでもLNG利用を検討したい」と表明。東京ガスの広瀬道明社長は「競争力のあるLNG燃料を安定的に供給できるよう、長期契約などでLNGの安価な調達を目指す」と述べた。(吉田英行) 【写真=開会に当たり、記念写真に納まる関係者】





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