富士運輸、ISO39001を取得 山口県内で初めて
物流企業
2017/02/20 0:00
【山口】富士運輸(阿部悦雄社長、山口県山陽小野田市)は、道路交通安全マネジメントシステムの国際規格ISO39001の認証を取得した。山口県に本社を置く企業の認証取得は初めて。2016年5月に環境省のエコアクション21の認証、11月には県から優良産業廃棄物処理業者の認定を受けており、39001の取得を機に安全・環境対策のレベルを更に高めていく。(江藤和博) 同社は石油製品のローリー輸送など一般貨物自動車運送事業のほか、特別管理を含む産廃収集運搬業も手掛けている。39001はこの二つの業務を範囲に1月13日付で認証を受けた。これを機に、品質管理の国際規格ISO9001は返上している。このほか、安全性優良事業所認定(Gマーク)やグリーン経営認証も取得している。 今回の認証に当たっては、60人余りの乗務員を輸送品目ごとに8グループに分けて取り組んでいるリスクアセスメントが評価された。班長が毎月の安全衛生委員会に出席して学んだことを各グループに落とし込むとともに、グループでも毎回テーマを変えてリスクアセスメントについて議論。例えば、石灰の積み込み現場で想定されるリスクとしてタイヤのバーストやスリップなどを挙げ、各自が危険予知能力を高めている。これらの内容は議事録として記録し、長い期間にわたって継続していることが特に高い評価を受けた。 また、乗務員全員参加の月1回の朝礼を継続していることも認証取得に役立った。出勤時間にバラツキがある勤務体系に合わせ、朝4時から30分刻みで1日通算6回の朝礼を行い、季節によって注意すべき事項を徹底。更に、自社のドライブレコーダーに1カ月間に記録されたヒヤリ・ハット映像をチェクしている。阿部社長は6回の朝礼に全て出席し、業績動向も含めて総評を行なっている。 阿部氏は「PDCA(計画―実行―評価―改善)のうち『計画』はまだ改善の余地がある。また、当社には教育担当者が2人いるが、内部監査体制と言えるものがまだ完全に出来ていないので、『評価』の部分も充実させていきたい。更に、有事の際の緊急対応にもう少し取り組みたい」と話しており、更なるレベルアップを目指す。 ISO39001認証は荷主からの反響が大きく、協力会社の集まりで発表の機会も与えられた。また、乗務員に自信を付けてもらう狙いもある。 阿部氏は「当社は『品の良いドライバーになろう』という目標で取り組んできた。認証取得は、これまでやってきたことが間違っていなかったということの証明でもあり、乗務員の自信やプライドにつながる。お墨付きをもらったことで更に意識を高め、安全運行に励んでいきたい」と話している。 【写真=登録証を手に持つ阿部社長】