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大勝、ISO39001取得 道内物流事業者で初

物流企業

2016/09/08 0:00

 【北海道】大勝(河島勝美社長、北海道千歳市)は8月26日、道内の物流事業者では初めてとなるISO39001(道路交通安全マネジメントシステムの国際規格)を取得した。本州向けの長距離輸送をメインとしながらも社員一丸となってコンプライアンス(法令順守)の徹底を図るとともに、事故ゼロに注力していく。(北原進之輔)  同社は、2006年に設立。現在、保有車両はウィング車など27台で社員数は30人。関東、関西、九州などへの菓子の輸送を中心に断熱材、農産物輸送なども手掛ける。  河島社長は「3年前から将来、会社をどう今の社員たちに引き継いでいこうかと考えていた。国際規格だったら誰にでも分かりやすい上、今後、物流業界も国際化していくだろうと思い、ISOを目指すことにした。お金が掛かることは自分の代のうちにやって、出来るだけ良い形でバトンを渡したい」と話す。  取り組みの中心的役割を担った沢田良二経理課長は「社長から目指そうと言われた時は正直、皆『我々のような小さい会社では無理なのでは』と思った。ISOは倉庫などを保有している大企業が取得するイメージ。それに、何から手を付けたらいいのかもさっぱり分からなかった」と振り返る。  取得に向け15年から取り組みをスタート。悪戦苦闘しながら安全マネジメントシステムを構築していくうち、徐々に全員に変化が表れた。長距離輸送が多いため、遠方にいるドライバーの健康管理を徹底し、事務員から電話をする機会を増やした。  沢田氏は「監視されているようでドライバーは嫌がるのではないかと思っていたが、『気に掛けてもらえているようでうれしかった』という声が返ってきて、相互の信頼感、連携がより高まった」と話す。  更に、40項目以上あるヒヤリ・ハットチェック表の提出を毎日行うようにした。「面倒なはずなのに皆、真摯(しんし)に報告してくれた。取り組んでいくうちに、社内全体の安全に対する姿勢が積極的になっていった。その一方、これまで何もしていなかったことを痛感した。まだ出来ることはあると思うので、取り組みを深めていきたい」と沢田氏。  河島氏は「さも自分がやって取得したような顔をしてしまったが、やってくれたのは全て社員。私は言っただけで、何もしていない。ドライバー、事務職員と本当に人に恵まれた」と目を細める。 【写真=登録証を手にする河島社長(左)と沢田課長】





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