大川運輸、赤十字社に義援金 被災地復興へ貢献
大川運輸(大川光夫社長、茨城県鹿嶋市)は6日、9月9~11日に発生した関東・東北豪雨に対する義援金及び赤十字活動資金として、日本赤十字社茨城県支部(橋本昌支部長、知事)に計30万円を寄付した。 大川社長と大川博行副社長、介川誠執行役員が同支部を訪問。小林彰事務局長に目録を手渡した。 義援金は豪雨被災地の復旧・復興支援に、活動資金は災害や紛争で苦しむ地域の人や救急法の普及、ボランティア養成、青少年教育などに役立てられる。 大川社長が「社内での募金や売り上げの一部から捻出した。地域社会と共に歩む企業として、少しでも被災地や赤十字活動に貢献できれば」と説明。 小林氏は「善意あふれる義援金と活動資金の寄付に感謝する。赤十字による『人間といのちと健康、尊厳を守る活動』に充てさせていただきたい」と謝辞を述べた。(吉田英行) 【写真=日赤茨城支部の小林事務局長に目録を手渡す大川社長(中央)と大川副社長】
【宮城】「仙台駅2階の中央口改札前に、巨大クロネコが出現!」。その正体は、ヤマト運輸(長尾裕社長、東京都中央区)が8~10日に開いた広報キャンペーンのぬいぐるみ。小さな荷物を手軽に送れる新サービス「宅急便コンパクト」を一般市民に認知してもらうためのイベントだ。 高さ2メートル、全長6メートルの巨大ネコを前に驚いて足を止めるお年寄りや、ふさふさした毛並みの感触を触って確かめる子供たち、一緒に記念撮影する若者などから人気を集めた。 鼻を押すと可愛い鳴き声と共に、中からTシャツやガムテープなどのノベルティーグッズが入った宅急便コンパクト用の専用箱が出てくる仕掛けになっており、9日の夕方には長蛇の列が出来、大盛況だった。 併せて、同サービスで送れる品物をパネルで紹介。本やお菓子、化粧品などの小物を専用の箱に入れ、中身が見えるように展示して簡単に利用できる点をアピールした。 9日のイベントに立ち会った広報戦略部の担当者によると「改札前なので、とても目立つ場所。初めは、驚く人が多いが、皆さんの反応が良くてうれしい」と話した。 同キャンペーンは9月の新宿駅からスタートして、高松みなとみらいに続き仙台が4カ所目。全国10カ所を巡回し、2016年初めまで行われる。(今松大) 【写真=新宿、高松などに続き、4カ所目になる仙台駅で大人気の巨大クロネコ】
【長崎】茂木運輸(山口新吉社長、長崎県茂木町)は3日、社会奉仕活動の一環で「茂木地区ふれあい祭り~大相撲・境川部屋力士とのふれあい会」に協力した。(上田慎二) 山口社長が祭りの実行副委員長として、同社の大型ウイング車でステージを設営し、多彩な交流イベントを企画した。 茂木町出身で元小結両国の境川親方が率いる境川部屋の大関豪栄道や、南島原市出身の佐田の富士関など多数の力士が参加し、場内は歓声に包まれた。 境川親方は「古里に帰るのはうれしさ半分、恥ずかしさ半分。子供、おじいちゃん、おばあちゃんに祭りを楽しんでもらいたい。九州場所ではきっちり結果を残し、東京に戻る」と誓い、来場者から「頑張れ」の掛け声が上がった。 茂木ビワの種飛ばし大会には、小学生ら60人がエントリーし、豪栄道らも飛び入りで参加。力士が調理した「境川部屋塩ちゃんこ」には長蛇の列ができ、新鮮な地元野菜や鶏肉、隠し味のユズコショウで心と体を温めた。 ステージでは、地元幼稚園や老人クラブが合唱や踊りを披露。まげ結いの実演、じゃんけん大会、握手・サイン会など、力士との触れ合いを楽しんだ。 同社は戦前から茂木町で運送事業を営み、1953年に法人化した老舗。地域密着を経営方針とし、青果物や燃料などの生活物資を運んでいる。山口氏と境川親方は小学校から大学までの同窓。日本大学相撲部OBの山口氏が、境川親方を学生相撲にスカウトした経緯がある。 【写真=茂木運輸のウイング車の上に並び、あいさつする境川親方と力士たち】
関東地方整備局や首都高速道路(菅原秀夫社長、東京都千代田区)などは10日、埼玉、千葉、東京、神奈川の1都3県で、警察や関係機関と連携して過積載車両の合同取り締まりを実施した。過去最大規模の計14カ所で行い、午前10時から2時間で計35台の違反車両を摘発。このうち、違反の程度が軽微である場合に与える「指導警告」が13台、過度な違反のため行政処分として高速道路外へ排出する「措置命令」は22台だった。(土屋太朗) 道路の保全や交通安全の観点から、高速道路会社などは過積載車両への取り締まりを日々強化。高速道外への排出命令に加え、重大な違反者には、その場で積み荷の軽減措置を命じるなど厳正に対応している。 今回の取り締まりは首都高速7カ所、東日本高速道路(広瀬博社長、同)3カ所、中日本高速道路(宮池克人社長兼CEO=最高経営責任者、名古屋市中区)2カ所、関東地整局2カ所で実施。このうち、首都高速・大井本線料金所(東京都品川区)の現場をプレス向けに公開した。 公開現場では、10台が取り締まりの対象となった。可搬型重量測定装置(マットスケール)などを使用し、重量や軸重のほか、幅、高さ、長さを測定。2台の違反車両が判明し、いずれも重量オーバーで措置命令を受けた。うち1台は許可されていない経路を走行していた。また、関東地整局が6台、東日本高速6台、中日本高速は9台だった。 大井本線料金所を視察した菅原社長は「1社単独で行うのではなく、各社連携して横並びで取り締まることに意味がある」と強調。対象車両のうち、ほとんどが通行許可を受けていたことを挙げ、「こうした取り組みが許可車両の増加につながっている」と話した。 【写真=大井本線料金所では10台が取り締まり対象に】
日本トラックドライバー育成機構(JTDO、酒井誠代表)は7日、トレーニングセンター愛知(愛知県大府市)で、プロドラ1級(ゴールド)認定講座を開講した。 1級は、ドライバー教育を担当する管理者、ドライバー・コンテストで全国大会出場を目指す人が対象。3日間で「スキル・マインド・マナー&モラル」を身に着け、同機構が位置付ける「荷主から選ばれるプロドライバー」の最高位獲得にチャレンジする。 酒井代表が「受講者は全員、各社で指導する立場の人たち。カリキュラムでは、社内の問題や課題解決に向けた完璧な手順書作成も一つの目的なので、他社の事例を共有する場としても活用して欲しい」とあいさつ。 初日の午前はオリエンテーションに続き、座学と実技で車両点検を修得、午後からは倉本健一チーフインストラクターが同乗指導した。最後は管理者として認知すべき法律・知識に基づいて、運航や労務関連対策、事故、トラブル時の判断と対応を学んだ。 社内でドラコン確立を検討している事業者にも参加を呼び掛けており、酒井氏は「これからの時代、中小事業者が今のトラック輸送レベルを維持していくには、他業種からの人材を受け入れるしかない」と強調。 その上で、「労働人口に一番多い40代の場合、スキル向上には限界があるので、絶対に事故を起こさないマインドを鍛えることが重要。特に、モラルとマナーは、他社に一番差を付けられるので、十年先のドライバーを育成できるような認定講座としていきたい」と語った。(梅本誠治) 【写真=オリエンテーションに続き、座学と実技で車両点検を修得】
【北海道】札幌地区トラック協会(奈良幹男会長)は4日、創立50周年記念事業として市に寄贈した世界時計の除幕式を行った。時計は地下鉄大通駅の地下広場5番出口に設置され、日本と札幌の姉妹都市の時間を表示。奈良会長と秋元克広札幌市長に加え、札ト協のマスコットキャラクターのシロクマ「ランディー」と、その生みの親である絵本作家、そらさんの手でお披露目された。 奈良氏が「街の交流拠点である地下広場に設置できたことは、大変喜ばしい。今日から未来に向かって時を刻んでいくこの時計と広場が、市民の憩いの場になることを願う」とあいさつ。 秋元氏は「頂いた時計が市民の新たな待ち合わせスポットになることを期待したい。世界の時間を刻むこの時計のように、ここに集まる子供たちの未来も世界に羽ばたいていって欲しい」と話した。 時計は、ランディーが描かれたデジタル時計で、日本と札幌市の姉妹都市ミュンヘン(ドイツ)、ノボシビルスク(ロシア)、瀋陽(中国)、大田(韓国)、ポートランド(アメリカ)の時刻を表示している。(北原進之輔) 【写真=時計は日本と札幌の姉妹都市の時間を表示】
拡張型心筋症という難病と闘う大林夏奈ちゃん(1)の渡米手術を実現させようと、全国のトラック業界などの支援を得て募金活動を展開してきた「ななちゃんを救う会」(山内英司・後藤耕司共同代表)は4日、募金の目標金額2億8千万円を達成した。夏奈ちゃんは両親とともに11日、メディカルチャーター機で渡米。(江藤和博) 父の謙一さんをはじめとする救う会のメンバーは5日、香川県トラック協会(楠木寿嗣会長)本部を訪問し、募金活動を率先してきた香ト協青年協議会(椎崎誠会長)の松本英高前会長(大運組)と対面。改めて謝意を述べるとともに、全国のトラック業界に対して感謝の言葉を語った。 夏奈ちゃんは、高松市場運送(高松市)の成木肇社長の姪の長女で、成木氏の妹、真由美さんの孫に当たる。拡張型心筋症を発病したのは生後1カ月半の時で、香ト協では4月から募金活動を展開するとともに、全国のトラック業界に協力を呼び掛けてきた。 本紙の取材に対して、謙一さんは「トラック協会に大きな力をいただいた。2億8千万円は途方もない金額だが、達成できて心からお礼を言いたい」と述べた。 また、江波戸功一事務局長は「組織の力の大きさを実感した」、高松市場運送の成木孝次専務は「募金活動を始めて7カ月という期間、絶え間なく支援してもらって感謝している」と語った。 真由美さんは「全国のトラック事業者に感謝するとともに、特に楠木会長にはお礼を申し上げたい。2億8千万円を達成できるかどうか分からず、心が押しつぶされるような日々が続いたが、夢にまで見た渡米手術が実現することになり、深く感謝している」と話した。 松本氏は香ト協青年協議会会長だった4月、全日本トラック協会青年部会の笠原史久部会長を通じて全国の青年部組織に支援を呼び掛ける一方で、青年協議会メンバーとともに高松市内の街頭と小学校でそれぞれ3回ずつ募金活動を行った。また、香ト協では4、5月に全支部で募金を集めるとともに、8月にはトラック10台に横断幕を張って街頭パレードを実施。9月には全県参加のチャリティーゴルフコンペを開催するなど、切れ目の無い支援を続けてきた。松本氏は「活動の中で命の尊さを非常に強く感じ、仲間の大切さも痛感した。一人の命を助けながら、いろんなことを学んだ7カ月間だった」と振り返った。 夏奈ちゃんは11日、関西国際空港から出発。米国の病院で検査を受けた後、移植に向けて待機することになる。 【写真=記念撮影に納まる(左から)真由美さん、父の謙一さん、香ト協の松本前青年協議会長、江波戸事務局長、高松市場運送の成木専務】
【愛知】愛知県トラック協会の食料品部会(小笠原忍部会長)は2日、名古屋市で、和歌山県トラック協会の食料品輸送部会(横山郁芳部会長)と意見交換会を開いた。 横山部会長が「当部会は8年前の今日、青果物の輸送事業者を中心に誕生した。県内の農業協同組合が入札制となって運賃のダンピングが起きたことに対し、本当の意味でのコスト削減を目指して40社で集まったのが始まり。基本的な悩みはどこも同じだと思うので、県外の物流環境を学ばせてもらうとともに、一つひとつ交流を深めてネットワークを築くきっかけにしたい」とあいさつ。 小笠原部会長も「この地域は自動車産業の景気に左右され、食料品物流もその動向の影響を受けるため波動が大きい。消費地として見れば、愛知は都会になりきれていない規模の地域でしかない。この中でどうしたら生き残っていけるか、ざっくばらんに意見を交わしたい」と述べた。 両部会から10人ずつが参加。互いの活動状況について報告した後、建設業への人材流出が進む現状などを紹介した。 今後は、両部会ともに交流がある九州の部会を巻き込み親睦を深め、食料品輸送業界の結束を高めていくことで合意。 横山氏は「荷主の成長だけで事業が拡大していた過去の考え方のままでは、運賃が下がるばかりだ。これからは荷主 共に成長戦略を考えていく時代。九州では、環太平洋経済連携協定(TPP)の締結を機に、海外への青果物輸出の勉強会などが活発化していると聞く。困難な問題にも皆で団結して挑めるように、継続的な交流の場を設けて欲しい」と締めくくった。(梅本誠治) 【写真=建設業への人材流出が続く現状などを紹介】
【宮崎】宮崎県トラック協会(牧田信良会長)、宮崎運輸支局で構成する宮崎県過積載防止対策連絡会議(小島定美議長、支局長)は2日、総合研修会館で県過積載絶滅運動推進大会を開いた。 小島議長が「制動距離、ハンドル操作に悪影響を及ぼす過積載運行は、重大事故や道路の損傷を誘発する。更に、燃費は悪化して環境、経営にダメージを与える」とあいさつ。 宮崎ト協の増田哲副会長は「スローガンである『過積載しない・させない・たのまない』を掲げ、業界、警察、荷主団体が一丸となって過積載防止に取り組もう」と呼び掛け最後に、ガンバローコールで違法行為の絶滅を誓った。 期間中、宮崎ト協では、啓もうポスターを会員、荷主団体に配り、県警と協力して街頭取り締まりを強化。安全運転講習会や巡回指導、パトロールを行う。(上田慎二) 【写真=ガンバローコールで過積載絶滅を誓う】
陸上貨物運送事業労働災害防止協会(川合正矩会長)は9日、フォークリフト荷役技能2級検定を全国9会場で実施した。荷役作業の労災防止を目的に、フォークリフトの「安全、確実、迅速な作業」を評価するもので、7年前から制度準備に着手。7月に制度概要と出題範囲を発表していた。全国で96人が申し込んだ。(佐々木健) 科目ごとの配点は学科300点、点検実技200点、運転実技500点の千点満点。合否は学科と実技で、個別に判定する。合格した科目は、その年度を含めて3年間、受検を免除し、落第した科目のみの受検を認めている。 合格発表は11月20日の予定だが、神奈川と長野両県は、9日に学科のみ開催して実技を別日程にしているため、12月にずれ込む。 1、2級の等級区分を設け、2級は「中堅クラスの作業者」、1級が「各作業場で指導的な立場にある者」を想定。1級の受検資格を「2級合格後2年以上の実務経験を有する者」としたほか、全国フォークリフト運転競技大会の入賞者(優勝、準優勝、3~5位)も、2級検定試験合格と同等の「暫定2級」と認めている。 2級の運転試験は、最大荷重1~1.5トンのフォークリフトで500キログラムのウエートの荷役作業・走行を見るが、1級はそれぞれ2~2.5トン、1トンを使用。要求する技術水準に差を付けている。 陸災防本部では、2016年度から1級検定を行う予定で、学科と実技試験の分離開催で、検定会場を増やすことを検討している。 会場の一つ、埼玉県トラック協会(鳥居伸雄会長)の埼玉県トラック総合教育センター(埼玉県深谷市)では、学科の後、点検・運転の実技試験を実施。運送業界だけでなく、メーカー関係からも受検者がおり、業界内外の関心の高さをうかがわせた。 【写真=学科、点検・運転実技合わせて千点満点で評価(9日、埼玉県トラック総合教育センター)】