佐川ベトナム、ハノイで保冷配送 3温度帯に対応
SGホールディングス・グローバル(SGHG、近藤宣晃社長シンガポール)は16日、SG佐川ベトナム(島崎順二社長、ホーチミン市)がイオンモール・ロンビエン店(ハノイ市)に宅配取次カウンターを設置し、保冷配送サービスを10月28日からハノイ市で開始した、と発表した。 カウンターで取り次いだ商品を保冷車両と保冷ボックスなどを利用し、鮮度を保ったまま、自宅まで届ける。ベトナムでは、5月にイオンモールのタンフーセラドン店(ホーチミン市)とビンズオンキャナリー店(同)で、冷凍品と常温品の保冷配送サービスを開始。9月からは冷蔵品も取り扱っている。同国内で3店目、ハノイ市では初となるロンビエン店でも3温度 帯配送に対応する。3辺合計110センチ、重量20キロ以内のサイズが対象で、冷蔵品セ氏2~7度、冷凍品マイナス18度以下で配送する。(田中信也) 【写真=保冷車両と保冷ボックスを利用し、商品を自宅まで届ける】
ヤマトホールディングス(HD)は18日、那覇市の国際物流拠点産業集積地域那覇地区4号棟で、国内最南端の総合物流施設、沖縄グローバルロジスティクスセンター「サザンゲート」を稼働させた。沖縄の地理的優位性と那覇空港の沖縄国際物流ハブを生かし、パーツセンターや在庫管理、機械メンテナンス、充てん作業の施設を集約。付加価値の高いサービスで荷主企業の国際競争力強化を支援していく。(上田慎二) 推進交付金で県が整備。5階建ての全フロアを沖縄ヤマト運輸(赤嶺真一社長、沖縄県糸満市)が借り受けた。延べ床面積は2万6590平方メートル(倉庫1万5250平方メートル)で、全階にトラック用スロープを整備。24時間・365日体制で運営する。サザンゲートには、電機メーカーや化粧品製造会社など4社が入居。東芝自動機器システムサービス(滝沢靖司社長、川崎市川崎区)と東芝社会インフラシステム社(横田岳志社長、同市幸区)がパーツセンターを利用する。 また、化粧品や医薬部外品、健康食品のOEM(相手先ブランドによる生産)を手掛けるホシケミカルズ(川島勝郎社長、東京都千代田区)が充てん、包装、梱包、輸出入の一貫作業を実施。サンスター(金田善博社長、大阪府高槻市)はアジア向け商品の在庫管理を行う。 サザンゲートでは深夜航空便を利用し、アジア圏内に分散する荷主企業の総在庫量をマネジメント。製造から物流までのプロセスを1カ所で担い、海外生産と同じリードタイムで消費者に届ける。 海外で発生した修理品は、保税状態のままサザンゲートでメンテナンス。海外修理工場への投資抑制、修理技術・ノウハウの海外流出防止に寄与する。 17日、サザンゲートで催した開所式で、ヤマトHDの木川眞会長は「東アジア、東南アジアの中心に位置する沖縄県は、アジアの主要都市へ航空機で4時間圏内という地理的優位性を持つ。サザンゲートは新しい価値を提供するためのスタートライン。沖縄県が世界の架け橋『万国津梁』を実現できるよう最大限努力したい」と意欲を示した。 【写真=付加価値の高いサービスで荷主企業の国際競争力強化を支援】
リーディングサポート(高埜広司社長、茨城県つくば市)は18日、女性ドライバーに特化した求人サイト「トラガールナビ」を22日に開設、と発表した。 同サイトの開設は、希望した地域・勤務形態で働きたいという女性と、女性ドライバーの活用を考える運送事業者を結びつけることが目的。求人情報の掲載には「1日4時間」「午前中のみ」といった勤務シフトや、子育て中の女性でも働きやすい職場環境を整備しているかなど、一定の基準を設ける。 また、女性管理職のマネジメントへの関与など、求人企業の女性活用に向けた姿勢を独自に評価。各社の経営情報として開示するなど、女性が安心して応募できる環境を整備する。(佐々木健) 【写真=女性が安心して応募できる環境整備】
【福岡】福岡県トラック青年協議会(富田剛生代表幹事)は11日、久留米市の西牟田小学校で、初の社会科物流交流授業を開いた。物流の仕組みや交通安全ルール、ドライバーの仕事について紹介し、将来を担う子供たちにトラック運送事業の魅力をアピールした。(武原顕) 筑後地域の若手経営者・後継者で組織する南青会(生田友見会長)が企画し、1年生と5年生の児童を対象に実施。教室では、ビデオ映像を使いながら、物流の役割や交通安全、環境対策、トラックの種類、物流センター機能、ドライバーの仕事内容を説明した。 特に、ドライバーに対する理解を深めてもらうため、国民の暮らしを支えているライフラインの大きな役割と責任、ドライバーの1日の動きをクイズ形式で紹介。 生田会長と白木運送(八女市)の黒木正史社長が先生役を務め、「全国にトラックは何台あるでしょう」「何を運んでいるトラックですか」「ドライバーの印象は」などと質問し、児童は笑ったり、驚いたりしながら楽しく学んだ。 ドライバーの印象を聞かれた児童は、「ゴールド免許を持っている人」「キン肉マン」「顔がいい」など、素直な感想に青年協議会のメンバーが大笑いする一幕もあった。「ドライバーになりたいですか」と聞かれると、「野球選手になりたい」「分からない」「かっこいい」と、いろいろな思いを発表した。 校庭には、丸善海陸運輸(古賀大輔社長、久留米市)やトランスポート田川(田川元見社長、同)、三和ロジコム(川口廣祥社長、八女市)、原口商事(原口典道社長、広川町)、大門運送(内山田庄一社長、柳川市)の5社が、多種多様なトラックを展示。 児童たちは運転席や荷台に乗り込んだり、側面が鳥の羽のように開くウイング車の姿や、クレーン車による石材のつり上げ作業などを見学。トラックの死角体験や車体機能などの説明に耳を傾けた。 富田代表幹事は「今後、県内全域の小学校で授業を開講していく。地道な活動ではあるが、継続して取り組む。次代を担う子供たちにトラック産業、ドライバーの仕事を少しでも理解してもらいたい」と話している。 【写真=5年生の授業で、物流の役割やドライバーの仕事を説明】
【愛知】愛知県トラック協会東三支部の豊川陸運協会(中井幹雄会長)は5日、タカラ自動車学校(豊川市)が近隣の園児と保護者を招いて行った交通安全教室に協力した。 トラックを使用した実験では、内輪差による巻き込みと運転席への試乗体験を実施。ウイングを開けた荷台に乗せられた園児は、大きな歓声を上げてはしゃぎ回った。 中井会長は「今日参加した園児は、2016年春から小学生になる子供ばかり。このような機会に、少しでも大きさや特性を見てもらい、トラックの近くで遊ぶことの危険を認識してもらえたらありがたい」と語った。(梅本誠治) 【写真=ウイングを開けたトラックの荷台ではしゃぐ園児】
少子高齢化が加速する中、地方都市の消滅が危ぐされている。こうした中、岩手県では、バスで貨物を輸送し、付加価値を高めることで路線の維持につなげる全国初の取り組みを開始。物流会社だけでなく、地域住民にもメリットを創出している。貨客混載バスは今後、過疎化が進む地域の救世主となれるのだろうか。(今松大) (続きは新聞でご覧ください) 【写真=ヤマト運輸盛岡西営業所でバスの専用室に貨物を積み込む】
【岡山】藤森運輸(藤森元則社長、岡山県倉敷市)は、社内にソフトボール部を設置し、従業員同士のチームワークを強化している。10月25日に新見地区雇用開発協会主催のソフトボール大会で優勝を果たした。 2015年で30回目となる大会には16チームが参加し、トーナメント方式で争われた。同社は14年に準優勝しており、節目の年で見事頂点に達した。 本社営業所(倉敷市)、倉敷営業所(同)、新見営業所(新見市)の従業員合わせて16人のチームを編成。大会の30日前から練習に汗を流してきた。 レギュラーメンバーのうち、一人は女性が参加するルールになっており、女性ドライバーの幡司沙菜さん(25)がセカンドで出場。高校時代にソフトボール部に所属していた清水大生さん(20)がホームランを打つなど若手が大活躍し、接戦を制した。 本社営業所の藤森大輔所長(31)は、「ラグビーの合言葉にある「Oneforall、allforone」の精神を持ち、メンバーが強い意識を持つことで、優勝できたと思う。これは仕事にも生かすことができる。来年以降も参加したい」と話している。(江藤和博) 【写真=10月のソフトボール大会で優勝したメンバー】
ジェイアール東日本物流(市川東太郎社長、東京都墨田区)は20日から、初の館内物流事業をスタートさせる。東日本旅客鉄道(JR東日本)グループの駅ビルがリニューアルオープンするのに合わせて受託し、同社が一括して搬出入業務を手掛けることで、1日に210台車両が出入りする駐車場の混雑問題を解消。これを皮切りに館内物流事業の拡大に弾みを付ける。(沢田顕嗣) JR東日本グループの湘南ステーションビル(栗田勝社長、神奈川県平塚市)が運営する商業施設、ラスカ茅ヶ崎(茅ヶ崎市)に商品などを搬出入する業務を受託。アパレルや雑貨、スイーツなど1~6階に入居する店舗・テナント向けの商品を、地下(一部は1階)の駐車場で受け取り、チーム「ドルフィン」を構成する20人前後のスタッフが専用台車と手運びで届ける。 宅配を含む1日当たりの貨物量は2700個に上り、このうち魚、肉、野菜の生鮮3品を除く8割を取り扱う。買い物客に配慮するため、ネクタイ柄をデザインしたシャツや帽子など専用ユニホームを作製、女性スタッフを中心にデリバリーする。また、駐車場での荷受けに自社開発の専用ハンディーターミナルを活用するほか、店舗・テナントから派生する貨物を宅配事業者などに引き渡す業務も手掛ける。 従来は午前10時の開店を目指して納品車両が集中するため、駐車場の混雑解消が課題となっていた。同社が一括してデリバリーすることで、滞留時間の緩和による混雑解消を実現。荷下ろし時間は5~10分で完了するため、業務の効率化と環境負荷軽減に加え、店舗・テナントへのリードタイムも短縮できる。更には、売り場のセキュリティーにも寄与するとしている。 市川社長は「JR東日本の請け負い仕事を中心に事業を展開してきたが、今後は自分たちで考えて業容を発展させていきたい。今回の仕事は、変わっていくための一つの基盤と位置付けている。JR東日本の駅回りは同じ課題を抱えている。まずはきちんとしたサービスを提供し、その上で付加価値をどう高められるかを勉強していく。グループ外への貢献も考えていきたい」と話している。 【写真=買い物客に配慮するため、ネクタイ柄をデザインした専用ユニホームを着用】
豊田自動織機は14日、TMHGトレーニングセンター(愛知県半田市)とトヨタL&Fカスタマーズセンター(千葉県市川市)の東西2会場で、トヨタL&F販売店サービス技能コンクールを開いた。 全国40販売店から各1人の代表選手が出場。「技能が支える信頼と満足」をスローガンに、日頃のサービス技能を学科と実技競技で競い合った。競技は学科150点、実技350点(電動車・部品交換200点、エンジン車・部品交換150点)の500点満点で採点。定期検査・整備や正確な部品交換・オーバーホールの安全性基本作業の正確性と迅速さなどを審査した結果、優勝は山根俊明選手(40、トヨタL&F近畿)が獲得。準優勝に北出健作選手(33、同釧路)、3位には鈴木佑也選手(28、同神奈川)が入った。 藤原啓税常務は「大会の意義は大きく分けて、他地域との技術レベルの比較や交流と、普段縁の下の力持ち的な役割のメカニックにプライドを持ってもらう年1回の運動会――と位置付けている」と説明。 更に、「経営の観点からすると、産業機械は1台目を営業、2台目はサービスから買うと言われる。適切なツールの使用で手順を守る作業ができるよう全メカニックの底上げを図れば、顧客満足につながり、営業面で大きなプラスになる。来年は90周年の節目。欧米地区でも大会が計画されているので、全世界で共通の適切なメンテナンスと安全最優先の取り組みを必須としていきたい」と述べた。 会場では、販売店担当者向けに、10月に発売した電動フォークリフト「GENEO-Ecore(ジェネオエコア)」などの新商品・技術、アイデア教材の展示ブースを設置。PR動画や故障状態を実験で示す映像などが上映された。(梅本誠治) 【写真=全国40販売店の代表選手が、応援者の見守る中で競技(半田市)】
日本トラックドライバー育成機構(JTDO、酒井誠代表)は7日、トレーニングセンター愛知(愛知県大府市)で、プロドラ1級(ゴールド)認定講座を開講した。 1級は、ドライバー教育を担当する管理者、ドライバー・コンテストで全国大会出場を目指す人が対象。3日間で「スキル・マインド・マナー&モラル」を身に着け、同機構が位置付ける「荷主から選ばれるプロドライバー」の最高位獲得にチャレンジする。 酒井代表が「受講者は全員、各社で指導する立場の人たち。カリキュラムでは、社内の問題や課題解決に向けた完璧な手順書作成も一つの目的なので、他社の事例を共有する場としても活用して欲しい」とあいさつ。 初日の午前はオリエンテーションに続き、座学と実技で車両点検を修得、午後からは倉本健一チーフインストラクターが同乗指導した。最後は管理者として認知すべき法律・知識に基づいて、運航や労務関連対策、事故、トラブル時の判断と対応を学んだ。 社内でドラコン確立を検討している事業者にも参加を呼び掛けており、酒井氏は「これからの時代、中小事業者が今のトラック輸送レベルを維持していくには、他業種からの人材を受け入れるしかない」と強調。 その上で、「労働人口に一番多い40代の場合、スキル向上には限界があるので、絶対に事故を起こさないマインドを鍛えることが重要。特に、モラルとマナーは、他社に一番差を付けられるので、十年先のドライバーを育成できるような認定講座としていきたい」と語った。(梅本誠治) 【写真=オリエンテーションに続き、座学と実技で車両点検を修得】