全ト協引越部会、見積サイト巡り意見交換 受注分散化対策を継続
全日本トラック協会の引越部会(鈴木一末部会長)は18日、総会を開き、2016年度の繁忙期対策を固めるとともに、ウェブサイトを通じて受けた消費者の見積り要請に事業者が対応する、いわゆる「引越一括見積もりサイト」を巡る課題などについて意見交換した。 鈴木部会長は「来年の繁忙期を前に、早めに対策の実施項目を決めておきたい。多くの事業者が引越一括見積もりサイトから情報を買っており、利用者、事業者、情報提供者にそれぞれどんな課題があるのか、探っていきたい」とあいさつ。 引越繁忙期対策では、2014年度から取り組んでいる、需要ピーク時の受注分散化対策を16年度も継続。全ト協のホームページにシーズン中の日にち別混雑状況を掲載するほか、チラシなどで呼び掛ける。 消費者向けには、14年発足した引越事業者優良認定制度(引越安心マーク)の認知度向上に向け、PR活動を 化。「かしこい引越」「標準引越約款のポイント」など小冊子を配布する。 事業者には下見や見積書の発行、標準約款の提示をはじめとするトラブル防止策を徹底。近隣へのあいさつ、駐車への配慮などを求めていく。 部会員から要望のあった部会員名簿は作成する方針だが、部外秘として情報管理には十分注意する。近年、見積もりサイトを通じた受注が増えているが、利用者、事業者を問わず、クレーム事案となるケースもある。サイトを提供している業者、利用者、事業者それぞれの実態を把握。それを踏まえて、課題を整理する方向で検討していく。 研修会では、藤倉泰徳氏(藤倉運輸)が「引越一括見積もりサイトを使いますか」と題して講演した。(北原秀紀) 【写真=見積サイトの課題を探っていきたい」と鈴木部会長】
【東京】東京都トラック協会の女性部(原玲子本部長)は16日、初めてとなる婚活事業「恋の安全走行~トラ婚パーティー」を8日に実施し、1組のカップルが誕生した、と発表した。 運送会社でドライバーや事務職などとして働く独身男女に出会いの場を提供しようと、台場のイタリアンレストランで開催。抽選で選ばれた男性34人女性35人が参加し、ゲームや会話を楽しみながら交流を深めた。 マッチングで誕生したのは男女1組。壇上で紹介され、更に親交を深めるよう祝福された。参加者からは「婚活は初めてだったが、また実施するのか」「友人が大阪にいる大阪でも開いてくれないか」といった感想が聞かれた。 トラ婚パーティーは、雇用安定対策事業「婚活事業」の一環。未婚、晩婚化を防ぎ、後継者や労働力不足を解消するのが狙いだ。継続して開催するかは今後検討していく。(高橋朋宏) 【写真=ゲームや会話を楽しみながら交流を深める】
【佐賀】佐賀県トラック協会(馬渡雅敏会長)では、協会限定のスナック菓子「オリジナルうまい棒」を作製し、広報活動に活用している。国民的な駄菓子で業界をアピールしようと、青年部会(宮原章彦会長)が発案し、子供や若者に好評だ。 チーズ味とサラダ味の2種類あり、パッケージのデザインには協会キャラクター「TON─TONくん」を採用。安全性優良事業所認定(Gマーク)を描き、「安全の証し、Gマーク」と制度の趣旨を紹介している。 10月18日に開いたトラックの日イベントでは、子供やアンケート、募金の協力者にプレゼント。準備した2千本は瞬く間に品切れとなるほどの人気ぶりだった。 宮原会長(43)は「人手不足が深刻化する中、将来を担う若い世代への業界PRが求められている。グッズを工夫して宣伝効果を高めたい」と話す。(上田慎二) 【写真=パッケージに協会キャラクターとGマークを掲載】
【宮城】平産業運輸(平良夫社長、宮城県岩沼市)は13日、仙台市で創立30周年式典を開き、更なる飛躍を誓った。 同社は1984年に設立資本金1500万円で、従業員は80人。鉄鋼品や土木建築資材、重量物運搬などをメーンに展開し、車両は27.9トンセミトレーラ73台、15トンセルフ4台、15トン平ボディー21台、ポールトレーラ4台など計117台を保有。近年は、東北6県での食品配送も手掛けている。 また、青森県に営業所(十和田市)を開設するほか、本社を構える岩沼臨空工業団地内には、保管倉庫も設置し、顧客のニーズに応えている。 式典には菊地啓夫岩沼市長、西村明宏衆院議員(宮城3区)、宮城県トラック協会の須藤弘三会長らが出席した。 設立からの歴史と50、100周年への思いを込めたスライド上映に続き、平社長が「皆さまの支援により、30周年の節目を迎えた。特に、被災した大震災時には廃業も考えたが、多くの方々から物心両面の支援、励ましにより、今日の弊社がある。厚く感謝を申し上げたい」と頭を下げた。 更に、「当社は、まだまだ発展途中にある。30周年を過去と未来の接点に位置付け、未来に向けての一里塚としたい。30周年をきっかけに心機一転、全社一丸となって目標達成にまい進する。地域に有用な会社を目指し、果敢な挑戦を続けていく」と決意を表明した。菊地市長が「御社は創業以来、岩沼市に根差し、物流事業を通して地域発展に貢献した。敬意と感謝申し上げる」と述べた。この後、岩沼臨空工業団地協議会の粟野昭治会長、須藤氏、佐藤建設の佐藤健一会長が挨拶し、村上智行県会議員は村井嘉浩知事の祝辞を代読した。 また、西村氏も「物流が元気になれば、地域も元気になる。岩沼市だけでなく、宮城県、そして東北のけん引車になって欲しい」とエールを送った。(黒田秀男) 【写真=式典を開き、更なる飛躍を誓う】
NS物流研究会(樋口恵一会長)主催の物流関連ゼミ学生による研究発表会(全日本トラック協会、物流ニッポン新聞社後援)が21日、東京海洋大学越中島キャンパス(東京都江東区)で開かれ、学生たちが研究成果をプレゼンテーションした。「移動型スーパー」を取り上げた同志社大学・石田信博ゼミが優勝。「現代的な問題設定で、論理的で分かりやすくなるようしっかり準備していた」と評価されたー。 石田ゼミのほか、東京海洋大学・黒川久幸ゼミ、大阪産業大学・浜崎章洋ゼミ、亜細亜大学・白珍尚ゼミ、神奈川大学・齊藤実ゼミの5大学が参加。樋口会長は「日本では人口減少が進んでいるが、世界は人口が増えており大量輸送の時代だ」と指摘。その上で、「世界にはいろいろなサプライチェーン(供給網)がある。今回の発表をステップに、将来グローバルにものを動かす仕事に取り組んで欲しい」と呼び掛けた。 優勝した石田ゼミは「買い物の楽しさを再び~移動スーパーから広がる可能性」と題し、全国展開する移動販売車「とくし丸」の活動について、アンケートなどを踏まえた課題と解決策を発表した。 表彰式で、石田ゼミの学生は樋口氏から表彰状、本紙東京支局担当の北原秀紀記者から優勝トロフィーを、それぞれ受け取った。全ト協からは、元常務の矢島昭男氏が賞状を手渡した。同ゼミでリーダーを務めた近藤藍加さんは「まさか優勝できるとは思わなかった。仲間たちとこつこつとやってきて良かった」と喜びを表した。 準優勝には、物流事業者の採用に関する考察を披露した浜崎ゼミが選出。敢闘賞に、今回が初参加となった白ゼミが輝いた。また、齊藤ゼミと黒川ゼミは、それぞれ努力賞に選ばれた。(土屋太朗) 【写真=樋口会長が石田ゼミの学生に表彰状を読み上げ】
SGホールディングス・グローバル(SGHG、近藤宣晃社長シンガポール)は16日、SG佐川ベトナム(島崎順二社長、ホーチミン市)がイオンモール・ロンビエン店(ハノイ市)に宅配取次カウンターを設置し、保冷配送サービスを10月28日からハノイ市で開始した、と発表した。 カウンターで取り次いだ商品を保冷車両と保冷ボックスなどを利用し、鮮度を保ったまま、自宅まで届ける。ベトナムでは、5月にイオンモールのタンフーセラドン店(ホーチミン市)とビンズオンキャナリー店(同)で、冷凍品と常温品の保冷配送サービスを開始。9月からは冷蔵品も取り扱っている。同国内で3店目、ハノイ市では初となるロンビエン店でも3温度 帯配送に対応する。3辺合計110センチ、重量20キロ以内のサイズが対象で、冷蔵品セ氏2~7度、冷凍品マイナス18度以下で配送する。(田中信也) 【写真=保冷車両と保冷ボックスを利用し、商品を自宅まで届ける】
自民道路調査会/大口割引50%継続決議 ETC2.0活用が条件
【兵庫】兵庫県トラック協会(福永征秀会長)は13日、交通事故防止大会を開き、年末繁忙期を前に管理者の意識高揚を図った。 藤井和重副会長が「社会と共生する上で、交通事故防止は最も重要な課題だ。業界では、事業用自動車総合安全プラン2009の目標を達成するため、様々な対策を講じている。何かと事故が多い年末繁忙期を間近に控え、『我が社は事故を起こさない』と肝に銘じて取り組んで欲しい」と述べ、大会の意義を強調した。 講演では、県警本部交通企画課の森健市警部が事故情勢から事例を示し、注意を促した。また、全ト協の荻原正吾交通・環境部長も総合安全プラン2009の推進に向けて課題を挙げた。 大会宣言では、「安全が何より最優先される」ことを強調した。厳しい経営環境であっても社会的使命である輸送の安全確保に向け、右左折時の安全確認、車間距離確保と制限速度順守、薄暮時の早めのライト点灯を徹底――など、あらゆる安全対策を実施し、交通事故ゼロを目指す決意を表明し、採択した。(渡辺弘雄) 【写真=交通事故ゼロを目指す決意を表明し、採択】
ヤマトホールディングス(HD)は18日、那覇市の国際物流拠点産業集積地域那覇地区4号棟で、国内最南端の総合物流施設、沖縄グローバルロジスティクスセンター「サザンゲート」を稼働させた。沖縄の地理的優位性と那覇空港の沖縄国際物流ハブを生かし、パーツセンターや在庫管理、機械メンテナンス、充てん作業の施設を集約。付加価値の高いサービスで荷主企業の国際競争力強化を支援していく。(上田慎二) 推進交付金で県が整備。5階建ての全フロアを沖縄ヤマト運輸(赤嶺真一社長、沖縄県糸満市)が借り受けた。延べ床面積は2万6590平方メートル(倉庫1万5250平方メートル)で、全階にトラック用スロープを整備。24時間・365日体制で運営する。サザンゲートには、電機メーカーや化粧品製造会社など4社が入居。東芝自動機器システムサービス(滝沢靖司社長、川崎市川崎区)と東芝社会インフラシステム社(横田岳志社長、同市幸区)がパーツセンターを利用する。 また、化粧品や医薬部外品、健康食品のOEM(相手先ブランドによる生産)を手掛けるホシケミカルズ(川島勝郎社長、東京都千代田区)が充てん、包装、梱包、輸出入の一貫作業を実施。サンスター(金田善博社長、大阪府高槻市)はアジア向け商品の在庫管理を行う。 サザンゲートでは深夜航空便を利用し、アジア圏内に分散する荷主企業の総在庫量をマネジメント。製造から物流までのプロセスを1カ所で担い、海外生産と同じリードタイムで消費者に届ける。 海外で発生した修理品は、保税状態のままサザンゲートでメンテナンス。海外修理工場への投資抑制、修理技術・ノウハウの海外流出防止に寄与する。 17日、サザンゲートで催した開所式で、ヤマトHDの木川眞会長は「東アジア、東南アジアの中心に位置する沖縄県は、アジアの主要都市へ航空機で4時間圏内という地理的優位性を持つ。サザンゲートは新しい価値を提供するためのスタートライン。沖縄県が世界の架け橋『万国津梁』を実現できるよう最大限努力したい」と意欲を示した。 【写真=付加価値の高いサービスで荷主企業の国際競争力強化を支援】
【北海道】函館地区トラック協会(東谷武彦会長)の砂原壮吉専務と柏葉欣哉青年部会長は13日、札幌市の北海道交通遺児の会(伊藤昭人会長)を訪れ、トラックの日のイベントで得た寄付金を堀広専務に手渡した。 函ト協は2014年から遺児の会へ寄付。9月に行ったトラックの日イベントで販売した飲料水から1本当たり11円を充当するとともに、来場者2300人から集めたペットボトルキャップ70キロ分を換金して、寄付金に充てた。 イベントの実行部隊を務めた柏葉部会長は「イベント前日から雨の中、皆で準備した。しかし、当日もメーンイベントのキャラクターショー前に雨が降ってしまい、前年よりも来場者は少なくなってしまった」と振り返った砂原専務が「2016年はもっと寄付できるように更に盛り上げていきたい」と力を込めた。(北原進之輔) 【写真=堀専務に寄付金を手渡す柏葉部会長(中央)と砂原専務(その右)】