ネストロジ、難病抱えトラ模型製作 伊藤さんと雇用契約
【広島】ネストロジスティクス(迫慎二社長、広島市東区)は9月18日に広島県庁で行われた秋の交通安全運動開始式で、障がいを抱えながらトラックの模型を製作している伊藤輝政さん(40)の作品を展示し、同運動への協力を呼び掛けた。(矢野孝明) 伊藤さんは生まれつき心臓に難病を持ち、ほとんどの時間を自室で過ごしてきた。トラックの製作を始めたのは幼少期で、工作用紙やアルミホイル、ストローなどを原料に、実物の40分の1の大きさで精密に再現。これまでに700個以上を完成させている。 同社のドライバーが伊藤さん宅に家具を配送した際、その作品に魅了されたのがきっかけとなり、迫社長も共感。5月28日に開催された広島県トラック協会(小丸成洋会長)の総会でも、会場に展示コーナーを設けて紹介した。 更に同社は、9月1日付で伊藤さんと正式に雇用契約を締結。模型の製作と公開を通じて、交通安全を呼び掛ける活動を共に推進する方針で、今回も広ト協を介して広島県警察本部に働き掛け、出展の運びとなった。 開始式には、県職員や警察関係者のほか、地元の幼稚園児や保護者など一般市民も参加。式の合間に展示コーナーに足を運び、完成度の高さと温かみのある作風に見入っていた。 【写真=実際のトラックを精密に再現した模型を眺める見学者】
【栃木】北関東運輸(石塚譲司社長、栃木県大田原市)は米穀用の冷蔵倉庫を増設し、9月下旬から営業を開始している。 黒磯低温倉庫(那須塩原市)に増設した。敷地面積5800平方メートルで、延べ床面積1560平方メートルの既存倉庫があるが、新たに延べ床面積1360平方メートルの倉庫を設置。9月上旬に引き渡され、冷やし込みなどの準備作業を進めている。 倉庫は温湿度管理機能を装備。常時、温度はセ氏15度、湿度は60%以下になるよう管理している。また、LED(発光ダイオード)照明を採用し、環境にも配慮した。既存倉庫では政府米を保管し、新倉庫は「なすひかり」や「コシヒカリ」などの食料米と共に、飼料米を扱う。 石塚社長は「政府が県内の飼料米の作付け面積を拡大しており、新たな需要が出たことから倉庫増設を決めた。県北地域は低温倉庫が少なく、需要は高い」と話している。(佐々木健) 【写真=冷やし込みなどの準備作業を進める】
【福島】郡山運送(小野田弘明社長、福島県郡山市)は9月16日、県立石川養護学校でトラックを使った交通安全教室を開いた。大型車両が関わる様々な事故などを再現して、交通ルールの順守とマナー向上を呼び掛けた。 教室は、社内の安全意識高揚と地域社会への奉仕活動として初めて開いた。社員に同校卒業生がいたことから教室開催を申し入れ、快諾を得た。大関彰久校長は「実際の車両を使った安全教室は初めてで、本当にありがたい。卒業生がドライバーとして活躍しており、在校生にも勇気を与えられる」と歓迎する。 高等部の生徒46人が参加。社員13人が校庭に模擬の道路や交差点、信号機などを準備し、司会進行も担当した。 はじめに4トン (ウイング)車を使って時速60キロメートルで1秒間に16.7メートル走ることを伝え、遠くに見える車両でもすぐに近づくことの危険性を強調。更に、停止位置からバックして急ブレーキを掛けた時の停止距離の長さを確認し、注意を促した。 このほか、交差点での左折時の巻き込み事故を再現し、死角の大きさ確認を訴えた。巻き込み事故では段ボールを人に見立てて、内輪差によって接触することを説明した。生徒たちからは段ボールが倒れ、潰れる瞬間を見て、驚きの声が上がった。 小野田社長は「楽しい学校生活が送れるよう、交通事故には十分に気を付けてくたさい」と交通ルールの順守を呼び掛け、生徒代表に記念品をプレゼントした。(富田久男) 【写真=段ボールを使って交差点での巻き込み事故を再現】