新聞協同運輸&アテリオバイオ、乳酸菌を開発・販売 経営と研究で「二刀流」
【北海道】新聞協同運輸(三輪一典社長、北海道旭川市)とグループのアテリオ・バイオ(同)は、三輪社長らが研究開発したライラック乳酸菌の本格的な販売網の構築に乗り出す。(那須野ゆみ) 三輪氏は、1982年、慶應義塾大学大学院(理工学部)修士課程を卒業、日産自動車中央研究所(現日産自動車総合研究所)に勤務。研究生活を送っていたが、実父の死去に伴い、89年から家業の新聞協同運輸を継承した。 2009年から、新しい貨物を創出するため「おから」に着目。おからは繊維質が多く栄養価も高いが、産廃として処理すると1トン当たり1万円の費用が掛かる。そこで、「おからに乳酸菌を植えて発酵させ、豚が病気にかかりにくい飼料を作れないものか」と考えたのをきっかけに、本格的な研究に入った。 乳酸菌は動物性と植物性に大別され、「どこにでも乳酸菌を作る菌は存在するが、北海道らしく奇麗な花から」と決めた。自宅庭に咲くライラックを由来(出身地)とする新しい菌を、豆腐の製造工程で絞り出される熱いおから(セ氏100度)に植え付け発酵させてできたのがライラック乳酸菌だ。 夏と冬の気温差が60 度もある旭川で育った菌は「強く良質の菌」と三輪氏。 12年1月、アテリオ・バイオを設立。廃棄物を扱う仕事は「静脈産業」と言うが、「おからをもっと日の当たるところに」という思いから、アテリオ(動脈)を社名に冠した。 同年5月に特許証、13年8月には商標登録証が特許庁から新聞協同運輸へ。更に、道からも「北海道食品機能性表示制度運用要綱」の規定に基づき数々の認定証が交付されている。 同乳酸菌はLDL(肝臓で作られたコレステロールを運ぶたんぱく質で、この働きが限度を超えると動脈硬化の原因となる)の数値を下げ、便秘の改善に効果を発揮することから、成人病予防や人工透析患者にも有効。味や香りがほとんどないので粉末タイプは味噌汁やスープ、お茶に混ぜて手軽に摂取できる。 今後は更に商品開発を進めながら、店頭とネット販売に力を入れ「世界中の人のおなかを健康に」と、経営者と研究者の「二刀流」を続ける。 【写真=三輪社長と数々の認定証を掲示したボード】
東京都トラック協会(大高一夫会長)で2年余りかけて進めてきた「公認支部」が1日、発足した。支部の主体性を確保しつつ、本部と25支部が一体となり、現状の運営体制を維持する「東京方式」として注目されていた。発足式には全支部長に加え、関東7県のトラック協会長と専務も出席し、新たなスタートを祝福した。(高橋朋宏) 大高会長は「名実共に本部と支部は一体化する。皆さまの苦労に心から感謝申し上げる。創立50周年を目前に控え、25支部が法律で公に認められた組織として新たなスタートを切ることは、協会活動の大きな原動力となる。本部と支部がより一層コミュニケーションを密にし、スムーズな組織運営に努めて、これまで以上に会員の声を反映した事業を展開していきたい」とあいさつした。 式典では、支部長、事務長一人ひとりに支部旗と認証状、バッジが手渡された。 支部長を代表して、藤倉泰徳足立支部長は「支部公認化に際し、多大な支援と理解をいただいた。何よりも事務長の皆さんにはタイトな時間の中、大変な事務作業を行ってもらった。大高会長が常々言われている、支部重視・会員重視が形になった。来年50周年を迎える東ト協にとって、とても大きな改革だ」と述べた。 全日本トラック協会の星野良三会長は「支部が一つの独自性を持ち、支部長の責任は大きくなる。少しでも会員が良くなるよう事業運営して欲しい」と祝辞。 また、全ト協副会長の三浦文雄・群馬県トラック協会長は「業界を取り巻く状況が厳しい中、東ト協が組織体系を充実させて課題克服へ取り組むことに、関東にとどまらず日本全国のトラック協会が期待を寄せている。トップリーダーとしての力を遺憾なく発揮してもらいたい」とエールを送った。 東京方式は、法的・社会的に「非公認の支部」から、支部の主体性を確保しつつ、本部と一体の組織として「公認の支部」へ移行するもの。 【写真=支部旗の授与などを行った発足式】
伊藤忠ロジスティクス(東京都港区)は、伊藤忠商事グループの総合物流企業として、情報力、海外ネットワーク、陸・海・空の物流機能を最大限に活用し、多様なサービスを展開している。近年、特に海外展開を加速するとともに、物流に商流機能も加えたソリューションに力を注ぐ。佐々和秀社長(65)は、中国、タイ、インド、インドネシアのアジア主要4カ国をベースに、それぞれの国内と周辺国をまたに掛け、事業を拡大していく方針だ。 ――様々な事業を手掛けているが、特に力を入れている分野は。 「自動車」「食品・食材」「生活消費財」「医薬品」を重点4分野に位置付けている。併せて、ビジネス形態としては、「コールドチェーン事業」、Eコマース(電子商取引)などの「通販事業」、世界規模の「サードパーティー・ロジスティクス(3PL)事業」に注力している。 ――商社系物流の強みは何か。 顧客の物流業務全てを引き受ける包括的契約が増えた。現在17社と契約し、複数社から引き合いがある。在庫管理や輸送、拠点の配置などを当社が一元管理することで、トータルで物流コストを削減できる。拠点単位や短期間の契約ではなく、長期間で全社的にタッグを組む方が確実に効果は上がる。 ――社長就任後、業績は順調に伸びている。 2010年に就任してから、社員の頑張りもあり、5期連続で増収増益を計上した。10年度の連結純利益は5億円台、11年度11億円台、12年度1億円台、13年度15億円台、14年度は18億円台を見込んでおり、15年度は、10年度に立てた目標の20億円を達成できる見通し。海外事業の利益率の向上が大きく寄与している。 ――海外事業をどのように拡大するのか。 世界市場をターゲットとした3PL事業に注力しており、中国、タイ、インド、インドネシアの4カ国で、それぞれ現地の地場物流を展開している。ベトナムやミャンマーといった周辺諸国の需要にも、この4カ国のいずれかの拠点からも対応が可能だ。これらの国には、伊藤忠商事が出資したドールの事業、中国政府系のシティック・グループ(中国中信)、タイのCPグループなど大手コングロマリット(複合企業)などもあり、多くのビジネスチャンスに恵まれている。 中国は、生産国から消費国へのシフトが目覚ましく、特に通販市場の伸びしろは大きい。また、コールドチェーンのネットワーク化を進めており、青島では冷蔵冷凍倉庫から、小型や大型の冷凍冷蔵トラックを走らせている。中国国営の水産大手である大連海洋漁業集団との合弁事業では、実運送を行う子会社を設立し、まずは大連市内で小型貨物車での冷凍冷蔵輸送サービスをスタートする。いずれは、中国東北地区を対象に10トントラックによる遠距離輸送を手掛ける予定だ。 ――日本国内の事業展開を教えて欲しい。 物流拠点を統合し、効率化と顧客の物流経費削減を進めている。14年に埼玉県加須市に医薬品物流センターを開設した。また、4月に千葉県松戸市松飛台の新センターを稼働するが、これまで3カ所で借りていた倉庫を集約する。 ――喫緊の課題は何か。 海外展開を加速したいが、そのための人材が不足している。大学新卒者は毎年15〜17人採用しているが、16年度は、25人は確保したい。キャリア採用も適時行っている。文・写真 田中信也 ささ・かずひで 1974年神戸大学経営学部卒業、伊藤忠商事に入社。執行役員、常務執行役員繊維カンパニーエグゼクティブバイスプレジデントなどを経て、10年6月から現職。 ◆企業メモ◆ 1961年7月に大阪市浪速区で伊藤忠運輸倉庫として創業。10年に現社名に変更した。海外市場をメーンにコールドチェーン、通販物流、3PLの各事業を推進。資本金42億6千万円、グループ従業員数は1150人。14年3月期の連結売上高は549億3800万円。
日本郵政(西室泰三社長、東京都千代田区)は1日発表したグループ中期経営計画で、郵便・物流事業の「反転攻勢」に向け、ゆうパックの2017年度までの黒字化、ゆうメールとゆうパケットの取り扱い拡大、買収する豪物流大手トール社を核とした国際物流事業の展開などを打ち出した。国内物流事業では、小型・薄型荷物を対象としたゆうパケットによる他社の宅配便からの「シェア獲得」を目指す。(田中信也) 日本郵政グループは、14年2月に16年度までの中計を策定したが、今秋の同社と金融2社(ゆうちょ銀行、かんぽ生命)の株式上場スキーム(手法)や経営環境の変化などを受け、見直した。同日の発表会見で、西室社長は「(前の中計で示した)考え方は基本的に変わっていないが、超低金利環境の継続や少子高齢化、過疎化の進展などグループを取り巻く環境を踏まえた」と説明した。 新たな課題として①更なる収益性の追求②生産性の向上③上場企業としての企業統治と利益還元――を抽出。三つの課題を克服し、成長・発展を遂げるための事業戦略とグループ戦略をそれぞれ五つ立てた。 事業戦略の一つとして「郵便・物流事業の反転攻勢」を掲げる。国内物流事業では、成長が著しい通信販売・eコマース(電子商取引)市場を中心に積極的な営業活動を展開するとともに、オペレーション基盤の整備・利便性向上により、ゆうパック、ゆうメールなどを拡大する。 ゆうパックの取り扱いは前の計画で「16年度に5億個」を目標に掲げていたが、14年度実績で4億9千万個が見込まれるため「17年度6億8千万個」に上方修正。ゆうメールとゆうパケットは、14年度見込み33億8千万個から「17年度41億個」への拡大を目標に置いた。具体的な取り組みとして、①営業スキル向上や集荷力強化などによる中小口営業の拡大②コンビニエンスストア受け取り、郵便局留め、受け取りロッカーの展開による利便性向上③物流ソリューション営業の推進④ゆうパケットによる他社宅配便からのシェア獲得――などを挙げている。 国際物流事業の展開では、トール社の豊富なM&A(合併・買収)実績やグローバルでの経営手腕を生かし、アジアや欧米で更なる企業買収を行う方針。日本郵便(高橋亨社長、千代田区)とトール社の売上高を合わせると、郵便・物流事業で世界5位に躍り出る。一層の拡大戦略を推し進めることで、物流業界のリーディングプレーヤーを目指す。 このほか、EMS(国際スピード郵便)、国際宅配サービスの改善、貿易代行、商談会といった海外販路の拡大支援にも力を注ぐ。 一方、グループ戦略では、効率化・コストコントロールに向け、郵便・物流ネットワーク再編に取り組む。 1300億円を投じ、集配郵便局内で実施してきた郵便物やゆうパックなどの区分作業拠点を集約するほか、機械処理率を高めることで生産性を大幅に向上させる。併せて、業務量の増減によって配送・配達スタッフを増員するなど、業務量に応じた柔軟な要員配置を行っていく。
福山通運は3月30日から東京貨物ターミナル駅(東タ駅、東京都品川区)―西岡山駅(岡山市北区)―東福山駅(広島県福山市)の鉄道コンテナ専用列車「福山レールエクスプレス号」の運行を開始した。東タ駅―吹田貨物ターミナル駅(吹タ、大阪府吹田市)では2013年3月からスタートしており、日本貨物鉄道(JR貨物)によると、一物流会社が単独で1日当たり大型トラック160台相当分(2線区合計、31フィート コンテナ160個)を「列車買い」するのは過去に例が無い。福通では、当面、全輸送量の4%程度を鉄道コンテナ輸送に切り替えることで、安定輸送の確保とともに、長距離幹線運行便のドライバー不足や安全運転確保などの課題解決につなげる。(高木明)
同エクスプレス号は東タ駅―西岡山駅―東福山駅の779キロを約11時間で結ぶ。下り列車は東タ駅発午後11時41分、西岡山駅着翌日午前9時41分、東福山駅着10時38分。上り列車は東福山駅発午後11時03分、西岡山駅発午前零時10分、東タ駅着午前9時54分。両列車とも西岡山駅で、31フィートコンテナ10個(大型トラック10台相当分)を切り離し・連結し、1日1往復を運行する。1日当たり31フィートコンテナ80個の積載能力で、大型トラック80台分に相当する。利用契約期間は5年。
福通ではエクスプレス号の増発に伴い、私有31フィートコンテナを新たに100個用意して500個体制に拡充するとともに、列車の出発時間に合わせた集荷時間の締め切り及び集配業務対応などで専用車両を増備。福通の長原永寿・取締役専務執行役員は「新たな設備投資も必要だったが、翌日中の配達が可能なダイヤ設定であり利用価値は大きい」と評価。JR貨物の田村修二社長も「東海道・山陽本線は既に過密ダイヤになっており、今回の福山レールエクスプレスが最後の『優等列車』となる」としている。
今回の東タ駅―西岡山駅―東福山駅及び東タ駅―吹タ駅の利用を合わせると、1日2往復体制・大型トラック160台分が鉄道コンテナ輸送となる。専用列車に限らず、関東―近畿・九州、関東―北海道、中四国―関東などの各線区で積極的に利用している。福山レールエクスプレス号の運行を始めるまでは、総輸送量に占める鉄道コンテナ輸送の利用率は1%程度に過ぎなかったが、14年度実績では3.5%になる見通しだ。
小丸成洋社長は「これまでの経験と実績を生かし、ドライバーをはじめとした労働力不足や安全・安心輸送を確実なものにしていきたい。引き続き、より効率的な輸送商品の開発に取り組んでいく」と話している。
【大分】大分県トラック協会(青木建会長)は3月21日、佐伯市で開かれた東九州自動車道(佐伯│蒲江)開通式典で、会員車両が「通り初め」のパレードに参加した。「祝 開通」の横断幕を装着した大型トラックが開通区間を走り、県内の全線開通(119キロ)を祝った。
【徳島】全日本トラック協会青年部会の四国ブロック青年部協議会(谷山正代表幹事)と全国産業廃棄物連合会四国ブロック青年部協議会(松本英高会長)は3月24日、徳島県松茂町で異業種交流会・講演会を開催し、「青年部会に入ってよかった点」をテーマとするパネルディスカッションで意見を交えた。トラック、産廃の両業界では、人材不足対策や業界イメージの向上など共通した課題も多く、それぞれの活性化に向け話が盛り上がった。(江藤和博)
【京都】京都府貨物自動車運送適正化事業実施機関(金井清治本部長)が3月24日発表した、2014年4月~15年2月までの巡回指導結果によると、総合評価でE(大変悪い)と判定された17事業所のうち、12事業所は前回訪問時から改善が進んでいないことが分かった。4事業所はD(悪い)からランクダウンしており、事務局では「保有車両台数が少なくなるにつれ、総合評価も低くなる傾向がある。一方、車両が増えると管理体制も充実している」としている。(落合涼二)
382事業所を巡回。総合評価で、A(大変良い)が103事業所、B(良い)は132事業所と、合わせて6割以上を占め、一方、DとEは計56事業所と全体の14.6%、C(普通)は91事業所だった。
保有車両台数でみると、5台未満(22事業所)は、Cが9事業所と一番多く、D5事業所、Eが2事業所。
5~9台(165事業所)でもCが52事業所と最多。以下、B48事業所、A32事業所、D20事業所、E13事業所の順。50台以上(16事業所)になるとD、Eはゼロとなっている。
不備が多く見られる項目は、事業報告書及び事業実績報告書の提出(42.3%)がトップ。次いで、点呼の実施及びその記録・保存(35.1%)、乗務員に対する指導監督の実施及び記録・保存(29.8%)など。
「5~9台の事業所では、トラック協会の非会員で不備が目立つ。特に、報告、点呼、教育面で多い。法令関係の改正を知らないケースもあり、情報が十分に収集できていないと思われる」(事務局)
【愛知】愛知県トラック協会(小幡鋹伸会長)は3月19日、予算総会を開き、2015年度の事業計画を発表した。8月に竣工予定の中部トラック総合研修センター(みよし市)新研修棟を活用し、研修事業の拡大を図るとともに、人材育成や事故防止への施策を推進する。(梅本誠治)
【長野】行政、経営者、労働組合の3者による長野県物流政策懇談会が3月24日に開かれ、トラック業界を取り巻く諸課題について意見を交わした。出席者からは、コンプライアンス(法令順守)に努めていることが事業者間競争におけるハンディにならないよう、悪質な事業者への徹底指導を求める声が多く上がった。
