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昭和冷凍、トラックの背面に子供の絵 優しさで事故防止

 【静岡】昭和冷凍(渡辺正仁社長、静岡市清水区)は21日、子供が描いた絵をトラックのボディー背面にプリントした車両1台を納入した。宮田運輸(大阪府高槻市)の宮田博文社長が2014年8月から開始した「こどもミュージアムプロジェクト」に賛同し、取り入れたもの。今年9月以来、4台目の導入となる渡辺社長は「大変良い取り組みで、今後も推進していく」と、年内納車予定の新車7台へのプリント準備も進めている。(奥出和彦)  3トン冷凍車の背面に、同社従業員の子供2人が描いた2枚の絵をプリント。カラーで発色が良く、遠くからでも目立つ奇麗な仕上がりだ。満開の桜の木を背景に、両親の顔が優しく描かれている。「やさしいきもちが、みらいをつくる」と記したプロジェクトのロゴマークも施した。  当日は、宮田氏や県内でプロジェクトの仲介役を担うバハティ(静岡市駿河区)の植村千恵社長も駆け付けた。  宮田氏は「13年に起きた事故をきっかけに自社だけでなく、世間のためになるトラックの生かし方が無い――と検討し、思い付いた。スタート後、絵について問われたり、写真撮影されたりと、世間とのつながりを意識でき、何よりもドライバーが優しい気持ちで運転するようになる。実際に商品事故を起こさなくなった」と説明。  渡辺氏も「紹介してもらい、すぐに導入を決めた。事故対策をいろいろ考えていたが、目先が変わっていて、優しさや気持ちが伝わるところに共感した」と話した。大潮誠常務も「冷凍車は後部の扉から出し入れするので、絵を確認する機会が多く、気持ちをリセットできる。とても良い効果がある」と言う。  宮田氏は「全国各地に拡大し、1件でも悲しい事故の減少につなげたい」と力説。双方でプロジェクトの啓もうに努めることを約束した。 【写真=満開の桜の木を背景に、両親の顔が優しく描かれている】

 リコーロジスティクスグループは22日、関西リサイクルセンター(大阪市港区) の開所式を13日に実施した、と発表した。西日本、中部、北陸地区のリコーグループのリサイクル事業を手掛ける中心拠点として展開する。  関西リサイクルセンターは、使用済みの複写機、複合機、トナーなどを集め、マテリアルリサイクルやリユース品として社会へ提供するため、各製品を素材ごとに分解、分別などを行う。  従来、同様のサービスは提供してきたが、リサイクル事業の効率化や更なる環境経営推進のため、西日本を中心としたリサイクル事業を再編した。今後について、「循環型社会を実現すべく、東日本でリサイクル事業を行うリコー環境事業開発センターと共に、西日本の中心拠点としてリコーグループの製品リサイクル事業を実施していく。グループのリサイクル事業で培った人的・技術的ノウハウを生かし、グループ外のお客さまの環境経営を支援していきたい」としている。(高橋朋宏) 【写真=西日本、中部、北陸地区のリサイクル事業を手掛ける中心拠点として展開】

 【東京】東京都トラック協会の港支部(樋口恵一支部長)は18日、トラックの日交通安全宣言ウォーキングを実施した。  今回は、青山通りの外苑前交差点を起点に、絵画館前→青山霊園→国立新美術館→東京ミッドタウン→東京タワー――と、港区の名所・最新スポットを巡る5キロのコース。  樋口支部長が「一人ひとりが意識を高めれば交通事故は減っていく。地道なキャンペーンにより、トラック事業の取り組みをPRしよう」とあいさつした後、出発した。  同支部オリジナルの戦隊ヒーロー「配達戦隊トドケルンジャー」のオリジナルTシャツを着た会員事業者の役員、社員やその家族からなる参加者は、青山霊園で「維新三傑」の一人である大久保利通や、昭和初期の宰相、浜口雄幸と犬養毅、更に歌人の斉藤茂吉といった歴史上の人物の墓を見学。東京タワーの大展望台への600階段上りにチャレンジするなどして、秋の都心を楽しみつつ、交通安全をアピールした。  東京タワーでは、ウエットティッシュなどがセットとなった啓発グッズを配布。トドケルンジャーも応援に駆け付け、即席の撮影会を実施した。完走後は東京プリンスホテルでバーベキューに舌鼓を打ちながら、チャリティー抽選会を実施。集まった寄付金を東京都交通遺児等助成財団(大高一夫理事長)に贈った。(田中信也) 【写真=東京タワーの600階段上りにチャレンジ】

 東京海洋大学大学院の渡辺豊研究室は23日、重心検知協会や中央バス商事(泉山利彦社長、札幌市西区)などと、三次元重心検知システム一般公開試乗会を行った。バス事業者に加え、トラック事業者も参加した。  渡辺教授は「バスやトラックなど人や物を載せて走行している車は重心が分かりにくいが、この装置を取り付けることでドライバーが常に重心を把握できる。コンテナなど重心の分からないものや、精密機器など重たいものを運んでいる運送会社にはとても有効。この装置を使って横転事故を防ぐことができればうれしい」とあいさつ。  試乗会では、三次元重心検知システムの装置を取り付けた貸し切りバスに乗車し、札幌市内の市街地や山などを走行。手のひらサイズの装置をバスに取り付けて、モニターやタブレット(多機能携帯端末)と接続すると、自動的に重心を検知する。信号は①安全②注意③危険④事故――の各段階で表記され、同時に「気を付けて、ちょっとハンドル操作荒いです」「優しい運転ありがとうございます」といった音声が流れる。  試乗会後、北海道バス協会(平尾一弥会長)で説明会が行われ、参加者からは「風による影響はどの程度か」「最初から重心が偏っている場合も正確に検知できるか」などの質問が上がった。  同装置は既存のどの車種・年式にも取り付け可能で後付けのため車検は不要。横転の危険度を見える化することで、ドライバーの安全意識を高められる。(大島杏奈) 【写真=タブレットなどでリアルタイムの重心を確認】

 【滋賀】滋賀県トラック協会(田中亨会長)は18日、琵琶湖周回道路の一斉清掃活動を行い、傘下7支部から計1600人以上が参加し、秋晴れの下、路側や歩道に投げ捨てられたごみを拾い集めた。(小菓史和)  守山市の滋賀県トラック総合会館には、湖南(松村浩志支部長)、甲賀(辻清吾支部長)の両支部会員とその家族が集結。  スタート式で、田中会長は「好天に恵まれ、この活動も8回目を迎えることができた。日頃、仕事で使わせていただいている道路に感謝するとともに、環境美化に努め、美しい滋賀県を観光客にアピールすることは、地域の振興にもつながる。事故の無いよう十分気を付けて欲しい」と呼び掛けた。  三日月大造知事は「健全で恵み豊かな母なる琵琶湖を次代に受け継ぐことは、我々に課された責務。県民一人ひとりの協力が必要であり、皆さんの支援は非常に心強い。住む人にも訪れる人にも素晴らしい環境となるよう、これからも力を貸していただきたい」とするメッセージを寄せた。  班ごとに割り当てられたエリアを清掃。思い思いのペースでウオーキングを楽しみながら空き缶を始め吸い殻、紙くずなどを拾った。  ごみは湖南、甲賀の両支部が集めただけでも、8立方メートルのダンプカー3台分にも上った。空き缶やペットボトルは分別し、再生資源として利用される。 【写真=ウオーキングを楽しみながら、空き缶を始め、吸い殻、紙くずなどを拾う】

 全日本トラック協会(星野良三会長)が主催する第47回全国トラックドライバー・コンテストの表彰式が26日開かれ、11トン部門優勝の渡辺貴夫選手(41、日通千葉貨物運送茜浜事業所、千葉県)が総合得点999点で内閣総理大臣賞を獲得した。4トン部門1位の矢野修平選手(35、日本通運福岡航空支店、福岡県)は998点で、わずか1点差の激戦だった。中小事業者所属の成績優秀者に贈られる国土交通大臣賞には、11トン部門の宮脇繁昌選手( 31、鳴海急送三重営業所、三重県)を選出。鳴海急送(酒井誠社長、愛知県大府市)は4年連続の国交大臣賞受賞となった。(土屋太朗北原秀紀)  トレーラが田中章路選手(34、日通太田運輸本社営業所、群馬県)、女性は鈴木雅恵選手(45、日立物流ダイレックス札幌東営業所、北海道)が優勝。シニアの中から選ばれる全日本トラック協会長特別賞には、11トンの西住修選手50、日通関西警送支店、大阪府)が輝いた。プロドライバー日本一となった渡辺氏には、国交省自動車局の藤井直樹局長から内閣総理大臣賞の表彰状とトロフィーが手渡された。  表彰式で、星野会長は「職場や地域での模範的なリーダーとして、トラック輸送サービスの社会的使命達成に向け、更なる活躍をお願いしたい」とあいさつ。細野高弘専務によるコンテスト概要の説明に続き、伊藤昭人副会長が入賞者の名前を読み上げると、選手や関係者からは歓声が上がり、大きな拍手が送られた。  藤井氏が「知識と技量を兼ね備えた皆さんには、今回を糧に、更に安全な運行に努めていただきたい」と祝辞。警察庁の掛江浩一郎長官官房審議官は「今年は交通事故死者数が15年ぶりに増加に転じる恐れがある。皆さんの高度な運転技能を生かし、交通安全に貢献して欲しい」と呼び掛けた。また、鳴海急送の酒井社は本紙の取材に対し、「5年連続受賞を目指しているが、今年はバックスラロームで選手が実力を出せなかったこともあり、自信が無かった。それだけに、うれしさはひとしお」と喜びを語った。  各部門2位以下の入賞者は次の各選手。〈4トン〉2位=甫立裕樹(日通鹿児島空港営業所)▽3位=高橋悠介(北海道郵便逓送帯広営業所)▽4位=小椋英治(西日本日立物流サービス兵庫営業所)▽5位=鴨志田和憲(日通東京警送事業所)  〈11トン〉2位=平岡誠次(日通東鉄事業所)▽3位=西川幸男(日通氷上運輸)▽4位=西住修(日通関西警送支店)▽5位=海谷亮太(同山形重機建設営業所)  〈トレーラ〉2位=木元聖耶(バンテック九州輸送部第一輸送課)▽3位=桜井章(バンテックセントラル横浜営業所海コンセンター)▽4位=苅茂義国(日通佐倉運輸ナイキCSC事業所)▽5位=村上元章(日通阪神コンテナ輸送支店)  〈女性〉2位=加藤康子(ヤマト運輸岩手主管支店)▽3位=川口かおり(ダイセーエブリー二十四本社)▽4位=山田恭子(日本郵便輸送岐阜営業所)▽5位=藤原和美(同川崎営業所) 【写真=国交省自動車局の藤井局長(左)と並ぶ渡辺選手】

 【高知】高知県トラック協会(岸圭介夫会長)は18日、土佐町地蔵寺の名高山で、間伐作業による山の手入れ体験学習を行った。森林の再生支援と啓発を目的に、2008年に同町、地蔵寺協働の森管理委員会、県との4者で締結した「協働の森パートナーズ協定」に基づく事業で周辺は「土佐町とらっくの森」と名付けられている。15年度から3年間の協定延長契約も結んだ。  開会式で、田中等副会長が「我々は環境保全のため、低公害車の導入やエコドライブなどを推進している」と、業界の取り組みを紹介「今日は全員が自然と触れ合って、けがの無いように楽しんで欲しい」とあいさつした。  地元の代表者は高ト協との活動を振り返り、「これまでに60ヘクタールの森林を整備した」と紹介。高橋昭雄副町長も「行事を通じて、延べ千人の地域交流を図ることができた。3年間の延長もありがたい」と謝意を述べた。  引き続き、小型バスに分乗し、山頂付近の森林へ移動。会員や家族、地元住民など120人が間伐作業に汗を流しながら、森林保護の大切さを体感した。  作業後は集合場所の地蔵寺コミュニティーセンターへ戻り、地域の婦人会が地元食材をふんだんに使った料理と、猪(いのしし)や鹿の肉のバーベキューを堪能。午後は川魚のつかみ取りや木工教室、餅つきなどのレクリエーションで過ごし、竹下勝之副会長が「我々の業界はドライバー不足などで大変だが、皆さんのお陰で成り立っている。来年も元気な姿で会いましょう」と締めくくった。(矢野孝明) 【写真=会員や家族らが間伐作業に汗を流す】

 日野自動車は、顧客の業務に踏み込んだサポートサービス「お役立ち活動」の一環として、運行管理者試験(貨物)の受験者指導講習を2015年度から実施するなど、トラック事業者へのトータルサポートを強化している。  全国の販売会社のサービス技術を競うコンクールが24日に開かれ、記者団のインタビューに応じた渡部雅成常務役員が、販売会社との協力によるトータルサポートの取り組みを明らかにした。  講習は、運管試験の合格率が近年、低迷している状況を踏まえたもので、14年3月に貨物自動車運送事業輸送安全規則と旅客自動車運送事業運輸規則に基づく講習認定機関として認定を受けた。販売会社に専任講師を派遣し、販売会社が受講者を募って講座を開催している。  講師は現在、日野自動車本社在籍の一人のみだが、「(講座は)受講者から好評」を得ており、今後は販売会社の社員を含め資格取得者を増やすことも考えている。  お役立ち活動は、国内販売会社と協力した車の販売にとどまらない活動として、「環境」「人材育成」などのカテゴリー別に40以上のメニューを提供しており、今後も新たなサービスを展開していく方針だ。  なお、コンクールでは、大型車「プロフィア」のトラクタを使用。整備技術を競う「車両およびメンテナンス競技」で、審査項目として新たに「的確な市場情報の作成」を追加。一方、接客対応を評価する「フロント競技」では、審査の公平性を高めるため顧客役にプロの俳優を起用した。  全国の支部大会を制した10チームと特別枠12チームが、車両とメンテナンス、フロントに学科を加えた3競技で競った結果、宮城日野自動車(倉山裕治社長、仙台市宮城野区)が3年ぶり5度目の総合優勝を獲得。選手は「職場の同僚だけでなく、他の東北支部の方たちにも応援していただいたお陰」などと喜びを語った。(田中信也) 【写真=大型車「プロフィア」を使用し整備技術を競う】

 【山形】山形県トラック協会(矢野佳伸会長)は18日、トラックの日の事業として「山形県トラックの森」の植樹会を開催した。社会との共生を目指し、交通事故撲滅とともに、環境対策も重要な事業と位置付けた取り組みで、11回目を数える。新たに用地を拡張して植樹するとともに、これまで育てた幼木には追肥作業を行った。  2005年から山辺町畑谷地内の「県民の森」隣接地に2万5千平方メートルの土地を借り受け、所有者や林業振興協議会の協力を得てトラックの森を整備。10年間で6140本の広葉樹の苗木を植えた。15年は更に、隣接地1980平方メートルを借り受け、ミズナラなど4種類の広葉樹460本を植樹した。  式典に先立ち、「やまがた森づくり」リレー旗の引き継ぎが行われた。県が推進している事業で、森づくりの輪を県内全域に広げるため、各市町村で開かれる植樹会などの活動をリレー旗でつなぐ取り組み。県村山総合支庁の加藤祐悦支庁長から矢野会長にリレー旗が手渡された。  式典で、矢野会長が「我々は公共の道路を利用し、やむなく排気ガスを出しながら事業を行っている。地球温暖化や環境破壊が進む中で、自然との共生、循環型社会の形成が求められている。トラックの森事業の効果は、わずかかも知れないが、常に環境保全に最善を尽くしたい。この環境活動の輪がより広がることを願う」とあいさつ。 山形運輸支局の松沢和幸支局長、朝日町の鈴木浩幸町長、同協会顧問の近藤洋介衆院議員(比例東北)らも祝辞を述べた。  植樹した樹木はミズナラ、ブナ、トチノキ、イタヤカエデの4種類。参加者はスコップや唐とう鍬ぐわなどを持ち、植樹作業などに汗を流した。  終了後、恒例の昼食懇親会を開催。地元伝統芸能・送橋神明こぶし太鼓の演奏を聞きながら、女性部会(五十嵐とし子部会長)が準備した芋煮が振る舞われた。また、手土産として、ナメコの栽培セットも全員に配られた。(黒田秀男) 【写真=次代を担う子供たちも手伝う】

 グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP、帖佐義之社長、東京都港区)は20日、大阪府吹田市に延べ床面積16万5千平方メートルのマルチテナント(複数企業入居)型物流施設、GLP吹田を開発する、と発表した。同社最大規模の大型施設で、所有・運営する施設としては開発中も含め100棟目の節目となる。2016年春に着工し、17年冬の竣工を目指す。(吉田英行)  大阪中心部から9キロに位置し、当日・翌日配達を視野に入れた都市型施設。名神高速道路・近畿自動車道・中国自動車道の吹田インターチェンジから6.3キロとアクセスに恵まれており、近接する県道を利用すれば大阪府全域をカバーできる。また、JR東海道線・岸辺駅から徒歩圏内にあるため、労働力も確保しやすい。  敷地面積7万5千平方メートル、プレキャストコンクリート造り免震構造4階建て。ダブルランプウエー、中央車路、ドックレベラーを備えるとともに、垂直搬送機も設置でき、幅広い業種に対応する。全館にLED(発光ダイオード)照明や太陽光パネルを装備するなど環境面にも配慮した。  GLPでは今年から、提携する人材派遣会社からテナントに対し優先的に人材を紹介するサービスを開始。GLP吹田でもこのサービスを提供する予定で、ハードに加えソフト面からもテナントをサポートする。  帖佐社長は「大阪中心部に近く、かつ大規模という希少性を持っており、当日配達など日々進化・増大する物流ニーズに対応していく。複数の配送拠点を持たずに直接、大阪中心部へ配送できるため、テナントの事業効率化が見込める」としている。 【写真=当日配達を視野に入れた都市型施設(完成予想図)】