物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

広ト協が作品紹介 病気克服しトラ模型製作

団体

2015/06/11 0:00

 街を走る様々なトラックが手作りのペーパークラフトに――。大手物流事業者の車両はもちろん、地場の中小運送会社のトラックまで、きちんと作りこんで展示してある。中には、ボディーにGマーク(安全性優良事業所認定)を描き込んだPR車両も。広島県トラック協会(小丸成洋会長)が5月28日に開いた総会の会場に設けられた作品紹介コーナーの風景だ。  ペーパークラフトのトラックを作ったのは、広島市安佐南区在住の模型作家、伊藤輝政さん(39)。生まれつき心臓に障がいを抱えているため、ほとんどの時間を自室で過ごし、体調が悪くなると救急車を呼ぶこともあるという。7歳か8歳の時にテレビで映画「トラック野郎」を見て、巨大で華麗なデコトラに魅了された。幼少期の頃から誰に見せるわけでもなく、自室で30年間、作り続けてきた。  当初はデコトラが中心だったが、今は緑ナンバートラックからクレーン車、ショベルカーまで幅広い。雑誌やインターネットに載っている車両の写真を基に、実物の40分の1(25〜30センチ)の大きさで精密に再現。車体は工作用紙、光り輝く部分には台所用アルミテープを使用、タイヤはホームセンターで買った木材を原料に使い、ストローの軸を通して回るようにしている。プラスチックで作られたミニトラックに比べ、手作り感にあふれ、風合いが優しい。  障がい者のアート作品の公募展「アート・ルネッサンス」に出品したところ、3年連続で入選した。これまで通算700台以上を製作し、自室の2部屋は作品で埋め尽くされているという。  伊藤さんの作品が広ト協の総会で展示されたのは、ネストロジスティクス(迫慎二社長、広島市東区)のドライバーとの出会いがきっかけ。システムベッドを伊藤さん宅に配送・設置したドライバーが、伊藤さんから作品を譲り受け、写真を添えてお礼の手紙を出したところ、伊藤さんの父親と本人の連名で礼状が届いた。経緯を知った迫社長(53)は、自社でディスプレーを手作りし、会場に紹介コーナーを設けた。  総会の休憩時間には、コーナーに人だかりが絶えなかった。中には、自社トラックが立派な作品に仕上げられているのを見つけ、感激してスマートフォン(スマホ)で撮影する経営者もいた。  一つの作品を仕上げるのに1週間ぐらいかかるが、写真さえあれば1台1万円で製作に応じるという。(江藤和博) 【写真=作品コーナーを背にする模型作家の伊藤さん】





本紙ピックアップ

テールリフター特別教育義務化、「講習枠不足」一部で混乱

 テールゲートリフターで荷役作業を行う企業に義務付けられた「作業者への特別教育」を巡り、課題が浮き彫りとなってきた。受講対象は約60万人に上るとみられるが、陸上貨物運送事業労働災害防止協会(渡邉健二会長)の各支部による特…

24年問題、都道府県で支援広がる

 「2024年問題」対策に向けた都道府県の動きが広がっている。検討会などを立ち上げて関係者間で課題を共有。実証実験などを通じた対策事例の創出や支援金といった取り組みにつなげる。最近は、トラック運送事業者の価格交渉力の強化…

熊交G、積極投資進めCS向上

 熊本交通運輸(住永富司社長、熊本県益城町)を中核に運輸6社で構成する熊交グループは、物流拠点の開設など積極投資を進めて顧客満足度(CS)を追求し、2024年3月期は連結売上高140億円の突破を見込む。また、関西、中京、…

JA全農おおいた、青果センター増設

 全国農業協同組合連合会大分県本部(JA全農おおいた、藤田明弘県本部長)は、大分青果センター(大分市)の拡充やモーダルシフトの活用などで、県産青果物の出荷拡大やドライバーの労働時間削減、輸送効率化を後押ししている。取扱量…

オススメ記事

テールリフター特別教育義務化、「講習枠不足」一部で混乱

 テールゲートリフターで荷役作業を行う企業に義務付けられた「作業者への特別教育」を巡り、課題が浮き彫りとなってきた。受講対象は約60万人に上るとみられるが、陸上貨物運送事業労働災害防止協会(渡邉健二会長)の各支部による特…

24年問題、都道府県で支援広がる

 「2024年問題」対策に向けた都道府県の動きが広がっている。検討会などを立ち上げて関係者間で課題を共有。実証実験などを通じた対策事例の創出や支援金といった取り組みにつなげる。最近は、トラック運送事業者の価格交渉力の強化…

熊交G、積極投資進めCS向上

 熊本交通運輸(住永富司社長、熊本県益城町)を中核に運輸6社で構成する熊交グループは、物流拠点の開設など積極投資を進めて顧客満足度(CS)を追求し、2024年3月期は連結売上高140億円の突破を見込む。また、関西、中京、…

JA全農おおいた、青果センター増設

 全国農業協同組合連合会大分県本部(JA全農おおいた、藤田明弘県本部長)は、大分青果センター(大分市)の拡充やモーダルシフトの活用などで、県産青果物の出荷拡大やドライバーの労働時間削減、輸送効率化を後押ししている。取扱量…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap