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全運研、「物流事業の在り方」展望 経営研究集会 事例報告・討論など 関係者300人超が一堂に

団体

2018/10/15 0:00

 全国運輸事業研究協議会(水野功会長)の全国トラック運送事業経営研究集会が5日、鹿児島市で開かれ、全国から参加した300人を超える関係者が一堂に会した。水野会長が「生産性向上を実現するための働き方改革」をテーマに基調報告。その後、事例報告やパネルディスカッションを行い、今後の物流事業の在り方を展望した。(上田慎二)  開催地を代表し、鹿児島県物流近代化研究会の肥後忍会長が、「物流業界は今、改革の渦中にある。ネット通販は更に広がり、自動車産業では大手メーカーやIT(情報技術)企業を巻き込んだ自動運転、ライドシェアを巡る覇権争いが本格化する」と強調。更に、「皆さんと知恵を出し合い、経営環境の変化に対応するとともに輸送品質に磨きを掛け、来たるべき未来に挑戦し続けよう」とあいさつした。  一方、水野会長は、働き方改革について「総論賛成だが、具体的に進めるのは容易ではない。商習慣の見直しや季節・需給変動への対応、付加価値の創造には荷主企業との意識共有が欠かせない」と述べた。  事例報告で、菱木運送の菱木博一社長が「改善基準告示を順守する取り組みと働き方改革」、川崎陸送の樋口恵一社長が「物流現場生まれ 物流現場育ち~2009年からの実績をベースにした信頼の受付予約システム」、SBSロジコム営業開発部の栗生浩延課長は「配車マッチングサービス“iGOQ(イゴーク)“~来たるべき働き方改革の先に向けて」をテーマに、それぞれ講演。  また、「生産性向上を実現するための働き方改革」をテーマにしたパネルディスカッションでは、菱木社長や樋口社長、栗生課長に加え、カンダホールディングスの原島藤寿専務、大王運輸の天白拓治社長、美松運送の松原二三男社長がパネリストとして登壇。神奈川大学経済学部の齊藤実教授がファシリテーターを務め、それぞれの立場から意見を述べた。  パネルディスカッションを受け、神奈川大学の中田信哉名誉教授が「幹線輸送の自動運転化は、あと数年で実現する可能性が高い。荷主とトラック側のシステム統合も進み、経営環境は急速に変化する。生産性の向上は戦術的ではなく、戦略的に考えていく必要がある。また、従業員の生産性を高めるには『経営者の働き方改革』も必要だ」と締めくくった。 【写真=鹿児島市で開かれ、全国から参加した関係者が一堂に会した】





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