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九州北部豪雨、道路寸断で荷物遅れ 各トラ協「大きな被害報告なし」

団体

2017/07/10 0:00

 九州北部を襲った記録的豪雨は、5日から7日にかけて大規模な河川氾濫や土砂崩れをもたらし、地元トラック事業者の運行スケジュールに影響を与えた。福岡、大分の両県では各地で道路が寸断され、高速道路の通行止めが多発。道路の決壊により輸送中のトラックが孤立するなどの事態を招いたが、7日正午時点で社屋や倉庫、車両などの被害は一部にとどまっている。  大動脈の九州自動車道をはじめ長崎自動車道、大分自動車道では、5日午後から断続的に通行止めとなった。福岡、佐賀、長崎、大分の各県トラック協会によると、6日午後5時時点で、会員事業者から大きな被害の報告は受けていない。  しかし、長野トランスポート(長野臣巳社長、福岡県朝倉市)では、朝倉市内の倉庫の一部が5日の集中豪雨で浸水。排水作業や泥の清掃を行い、復旧させた。従業員、車両への被害は無かった。  また、道路網が寸断されたことで、トラック輸送に影響が出た。NBSロジソル(河野逸郎社長、大分県日田市)では、施設や従業員、トラックへの被害は無かったが、道路の寸断で通常ルートを通れなくなり、一部の荷物に遅延が発生。鶴見(三浦政人社長、別府市)では日田市、中津市耶馬渓地域で多発した通行止めや、大分道の一部区間通行止めの影響で、一部の荷物に遅れが生じた。  更に、玖珠運送(右田昭二社長、九重町)でも、大分道の一部通行止めに伴い、一部のエリアで遅れが発生。中津急行(仲浩社長、中津市)は、大分県山間部の耶馬渓地区で多発した通行止めを避けるため、東九州自動車道や一般道へ迂回(うかい)して対応した。  一方、臼杵運送(足立哲社長、大分市)では、福岡県東峰村の道路決壊により大型車1台が立ち往生。その場に孤立してしまったが、自衛隊らによる救援活動で、ドライバーは6日午後までに無事救護された。トラックは土砂崩れの恐れが低い高台に移動させ、難を逃れた。  熊本県でも豪雨の影響が出た。熊本交通運輸(住永金司社長、熊本県益城町)によると、5日に「熊本から大分へ向かう建材関連の一部で配送を中止したが、大きな影響は無かった」(住永富司専務)。7日は、午後から断続的に九州道・植木インターチェンジ(IC)─久留米ICなどで通行止めが続いたため、青果物など大都市圏に向かう上り便などの対応を急いだ。  福岡県トラック協会(眞鍋博俊会長)は、運営する筑後緊急物資輸送センター(筑後市)及び筑豊緊急物資輸送センター(飯塚市)を避難所として利用できるよう常に受け入れ態勢を整えているものの、6日までに開放要請は無かった。  ただ、同日から一部の会員事業者が生活物資、食糧などの救援物資を朝倉市へ輸送。その後も自治体と打ち合わせをして情報収集に努めるとともに、会員事業者を対象に被災状況の確認作業を続けている。(上田慎二、武原顕) 【写真=橋が崩落し、人や車の移動はう回を余儀なくされる(6日、福岡県朝倉市)=写真上田慎二】





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