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全ト協、坂本新体制が発足 「ええ業界」むけ一丸

団体

2017/07/03 0:00

 坂本新体制が発足――。全日本トラック協会の総会と理事会が6月29日開かれ、星野良三会長(80)は勇退し、坂本克己副会長(78、大阪)が会長に就いた。坂本氏は「現場で汗をかいているドライバーが『ええ業界や』と思える幸せな業界になるよう、運賃も料金もしっかり収受できる業界に進化させる。先頭を切って頑張るので、皆さん火の玉のごとく一丸となって取り組んでいこう」と抱負を述べた。(田中信也)  任期満了に伴う役員改選では、坂本会長のほか、奈良幹男(74、北海道)、竹津久雄(59、全国)の両氏が副会長、桝野龍二氏(63)は理事長に選任された。一方、伊藤昭人(72、北海道)、斉藤充(62、全国)の両副会長、福本秀爾理事長(65)、細野高弘専務(65)、永島功常務(60)は退任。星野氏は名誉会長に就いた。  2011年度から3期6年にわたり会長を務めた星野氏は、退任あいさつで「業界に入って60年間、この仕事を嫌と思ったことは一度も無かった。経営者が『これほど良い業界は無い』と信じれば、従業員もそう思うようになり、会社や業界全体が良くなって、若い人が大勢入って来る環境が生まれると思う。皆さん、自信をもって取り組んで欲しい」とエール。  一方、坂本氏は、星野氏に対して「類まれなリーダーで、明るい言葉で業界を良い方向に導いてくれた」と謝辞。その上で、ドライバーらが幸せを感じ、かつ自信と誇りを持てる業界になるためには「労働時間の改善とともに、世間並み以上の給与をお持ち帰りしていただかないといけない」として、適正運賃・料金収受に向けた取り組みに傾注することを宣言した。  更に、高速道路の大口・多頻度割引の維持・恒久化、下請け多重構造の改善といった様々な課題に対応するためには、「皆さんのご所見を聞いて、一緒に行動していく」と明言。地方運輸局関係者を交え、北海道から九州までブロック単位で全国行脚し、課題を集約していく構想も述べた。  事業報告では、トラック事業者と荷主が共同して長時間労働削減に取り組むパイロット事業が、全国で48件実施されたことや、政府の働き方改革実現計画が取りまとめた実行計画に自動車運転業務の時間外労働の上限規制適用が盛り込まれたこと、ETC2.0(次世代型自動料金収受システム)搭載車を対象とした大口・多頻度割引の最大割引率50%の17年度末まで継続――などを紹介した。  また、決算を承認。事業活動収入は一般会計6億5531万円(前の年度比0.1%減)、交付金特別会計42億7243万円(0.1%増)、鈴木基金特別会計155万円(1.3%減)。  更に、3月の理事会で承認された、貨物自動車運送事業振興センター(大須賀正孝理事長)の吸収合併を決議。11月上旬に全ト協が変更認定申請、振興センターが合併届を内閣府に提出し、官報での公告などを経て、18年4月に統合する――と説明した。  10月3日に仙台市で開催される全国トラック運送事業者大会の概要について、宮城県トラック協会の須藤弘三会長が説明。18年度は四国ブロックの主催で、高松市で行うことが発表された。  国交省の藤井直樹自動車局長は、退任する星野会長に対して「いつも前向きで『業界はいま最も良い時代」との言葉に励まされた」と謝辞。続けて、「人口減少高齢化社会が深刻化する中、内閣府が生産性向上国民運動推進協議会でトラックの事例をヒアリングし、自動車運送事業の働き方改革に関する関係省庁の連絡会議が発足するなど、政府を挙げてトラック業界の働き方改革や生産性向上に取り組む機運となっている」と指摘。その上で、「国交省でも環境づくりや支援につながる措置を加速させ、業界のために全力で尽くす」ことを約束した。 【写真=坂本新会長(右)は星野会長と握手し、適正運賃・料金収受に向けた取り組みに傾注することを宣言】





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