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物流企業
2019/01/10

中小間で進む多様な連携、「緩やかなつながり」増え 強み持ち寄り相互補完 会費不要で入退会も自由

t.kokudo
物流ニッポン

 【愛媛】人材難やトラック不足が深刻化する中、運送会社の間で連携の動きが加速している。中小運送会社が集まって地方で発足した後、大手物流企業も巻き込みながら、短期間で全国に広がった新たなグループが登場。また、互いの強みを持ち寄って不足分を補完し合いながら、事業を拡大するケースも珍しくない。最近の傾向として、形式にとらわれず緩やかにつながるアライアンスが増えており、本格的な業務・資本提携とは異なるトレンドと言えそうだ。(矢野孝明)
 無料通話アプリ「LINE」を活用した運送情報交換ネットワーク「オールジャパンネットワークロジ」(AJNL)は2016年6月、しげまる(松山市)の長谷川茂社長(48)が中心となって、中小零細の運送会社20社で発足。それからわずかの期間で、大手を含め210社・230人以上が登録する大きなグループに発展した。
 メンバーは北海道から鹿児島県まで、軽貨物運送事業者や保有車両が200台を超える物流企業まで多彩。求荷・求車の情報交換がメインで、各地の道路情報や気象情報などの投稿もある。
 従来の一般的な連携組織とは違い、会費は不要。規約なども特に作らず、入会も退会も自由なのが特徴だ。
 急拡大した理由について、代表の長谷川氏は「参加しやすく、仕事に直結する情報に的を絞った点にメリットを感じたのではないか」と分析する。
 このほか、実際に顔を会わせるオフラインミーティングも、結束を強める大きな一因となっている。全国への広がりを受け、親睦を目的とした交流会を全国各地で年1、2回程度のペースで実施。直近では、11月に名古屋市西区のレストランで開いたところ、50社・72人が集まる盛会ぶりだった。
 一方で、会費や会則が無いことによるリスクもある。具体例として、求荷・求車でマッチングした事業者間で、支払いが遅れた事案が一度だけ発生した。対策として、直ちに遅延事業者へ退会を促した。
 また、支払金額に対する消費税の有無を巡る認識の違いによるトラブルも起き、以降は当事者同士による事前の協議を、不文律のルールと定めた。長谷川氏は「決め事が無い分、運営にはそれぞれの信頼関係が大事だ」と強調する。
 AJNLの緩やかなつながり方や独特の組織風土に、全国各地の地場大手や中堅の物流企業も関心を示している。グループ全体で従業員230人を抱え、広域に展開する魚津海陸運輸倉庫(田村繁樹社長、富山県魚津市)もその1社だ。
 同社の田村純取締役(50)は、1年ほど前にフェイスブックを通じて長谷川氏と知り合い、名古屋での交流会にも出席。AJNLに参加する意義について、「当社は大手メーカーの大量輸送などが主力だが、少量や小型の物流は未開拓の領域。このグループには小ロットを得意とするメンバーが多く、運賃体系の情報なども含め、今後の事業展開の参考になる」と捉えている。
【写真=AJNLでは年1、2回程度の頻度で懇親会を開いている(17年11月7日、兵庫県神戸市)】

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