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物流企業
2015/06/11

三菱商事ロジスティクス社長 田村幸士氏、企業価値向上に貢献 フロンティア精神を発揮

t.kokudo
物流ニッポン

 「単に物を輸送・保管するのがゴールではない。お客さまの競争力強化と企業価値向上に貢献することが最終地点」。三菱商事ロジスティクス(東京都千代田区)の田村幸士社長は、ビジョンの「ロジスティクスのその先へ!」に込めた理由をこう説明する。4月に就任した田村氏に、今後の指針と展望を聞いた。
 ――就任の感想を一言。
 物流に携わるのは10年ぶり。世界経済における中国とアジアの存在感が増し、物の流れも大きく変わっている。日本発の貨物がこれほど減るとは思わなかった。事業環境が目まぐるしく変化する中、経営のかじ取りを任され、責任の重さを感じている。2014年に設立60周年を迎えた。次の70周年に向けて足場を見直すのが私の役目だ。
 ――土台をつくる。
 15年3月期は想像以上に良い数字を出したが、本当の実力なのか冷静に見極める必要がある。きっちりと稼げる会社になるには足場を固めることが大事。仕事のやり方を見直し、業務の改善と効率化を図る。今夏以降に新しい経営方針を打ち出したい。
 ――成長戦略をどのように描いていくか。
 誰も目にしたことの無いロジスティクスを提供したい。我が社は商社のDNAを有する。荷主の物流関連セクションに社員を派遣する取り組みは一例で、三菱商事を含めて十数人の社員を約10社に送り出している。顧客の立場に身を置くことで、コストをただ引き下げるのではなく、その会社の成長を支援する。フロンティア精神を発揮すれば高収益体質におのずから結び付く。荷主の目線で商流と物流一体のサービスを提供していく。
 ――新たな施策は。
 IT(情報技術)武装化を推進していく。今年から来年にかけて基幹システムを刷新し、顧客対応力を強化する。バックグラウンドが商社である強みを生かしたソリューションにも力を入れる。アセットマネジメントによる効率的な施設運営、物流不動産の仲介サービスなど、三菱商事グループの総合力を結集していく。女性が働きやすい環境の整備も重要。二人の女性部長が活躍しているほか、課長職も相当数に上る。女性社員への期待は非常に大きい。
 ――国内外とも事業展開を加速させる。
 昨年、インドに現地法人を設立したため、8カ国計10社に達した。今期はインドネシアに現法を設立し、自動車を中心とした物流事業を開始する。ロシアとインドの深掘りもテーマの一つ。国内はアパレル物流事業を拡大する。8月か9月をメドに9カ所目の自社運用倉庫を広島県で稼働させる。顧客の事業展開に即応していく。
 ――人材が成長を占う。
 求める人材像は市場価値の高い人。親会社から期待される高いリターンを実現するには、付加価値の高い仕事が欠かせない。物流業界で頼りにされ、他社に引き抜かれるくらいの人材になってもらいたい。スペシャリストを評価することも大事であり、社員それぞれの背景に応じた人事制度をつくっていく。物流業界を盛り上げていきたい。
 文・写真 沢田顕嗣

 たむら・こうじ 1965年1月生まれ、東京都出身。88年慶応義塾大学法学部を卒業、三菱商事入社。ドイツ赴任を経て、2003年物流事業ユニット総括マネージャー、07年国土交通省航空局監理部航空事業課航空物流室長、09年三菱商事物流サービス本部付(戦略企画室長)、10年ロジスティクス総括部長代行。15年4月から現職。
 ◆企業メモ◆1954年4月に設立された三菱商事の100%子会社。国際複合一貫輸送、海上運送、倉庫、流通加工、アセットファイナンス・サービスの各事業などを展開。アパレル、食品・消費財、自動車、工業財の分野を軸に、ロジスティクス・ソリューションを世界規模で提供している。2016年3月期の売上高は494億円(15年3月期は442億円)を見込む。

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