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物流企業
2015/05/18

キユーソー流通システム社長 西尾秀明氏、品質向上へ構造改革 一人ひとりが創意工夫

t.kokudo
物流ニッポン

 キユーソー流通システム(KRS)は2014年11月期決算で、売上高1500億円を突破し、「構造改革」を掲げる第4次中期経営計画は最終年度に入った。キユーソーティス(佐々木健二社長、東京都稲城市)を運送機能、キユーソーエルプラン(木村孝寛社長、埼玉県所沢市)を倉庫荷役の中核会社として再編。厳しい経営環境下での意思決定の迅速化と、国内の総物量の減少下での効率化、物流品質向上への高いニーズに応えていけるグループ構築を目指し、構造改革を進めている。中計後を見据えた経営方針を、西尾秀明社長に聞いた。
 ――15年11月期の第1四半期(14年12月~15年2月)は営業利益が向上した。
 前期の第1四半期(13年12月~14年2月)には、年末繁忙期の対応コストや2月に関東地方を襲った記録的大雪の影響があった。加えて、今期は燃料価格の安定と運賃改定効果もあり、増益になった。
 ――運賃改定の進展は。
 道半ばだ。物流コストが上昇し、これを踏まえた料金提示を続けている。荷主各社にも物流を取り巻く環境悪化は理解してもらっているが、運賃改定までは、まだ時間を要する。また、電気料金の値上がりが続き、自助努力による節電対策だけでは限界にきている。保管料などの是正が不可避と考えている。
 ――味の素などの食品大手6社、ビール3社による共同配送が始まった。
 当社グループは30年以上前から共配を手掛けてきた。今回の報道は、物流業界の窮状を訴える好機と捉えており、互いに協力できることは一緒に取り組む時代になってきた。メーカーの垣根を越えた共配は、同じ場所に持って行くから同じ車で――というほど簡単な話ではないが、今回のメーカーや業界の動きはプラスになると考えている。
 東日本大震災で物流の大切さが再認識されたが、時間の経過で危機意識が薄れているなど課題は多い。社会インフラを担う業界全体の地位向上を目指さないといけない。
 ――次期中期経営計画に向けた取り組みを教えて欲しい。
 第4次中計の成果を基盤に、次期中計を組み立てている。食品物流業界の中で、独自性のあるユニークな存在と認識してもらい、他社に無いサービスや発想で、新商品を開発していく企業という地位を確立したい。そのキーワードは「一人ひとり」だ。
 私がキユーピー時代に扱っていた業務用食品は、ブランドが見えにくく、「商品+担当者自身」の信用が無いと売れない業界。大切なのは「人」で、物流と似ている。物流も消費者には見えにくいからこそ、品質を大事にしなければならない世界だ。一人ひとりが常に品質を意識することで、企業ブランドもおのずと高まると考えている。我々には協力会社の「キユーソー創栄会」という仲間がいる。知恵を出し合って業界を盛り上げたい。鍵を握るのは一人ひとりの創意工夫と挑戦だと確信している。
文・写真 佐々木健
 にしお・ひであき 1957年2月、長崎県生まれ。79年九州産業大学商学部卒業、三英食品販売入社。90年キユーピー入社、2008年フードサービス本部長、10年取締役、12年広域営業本部長。14年キユーソー流通システム取締役執行役員社長補佐を経て、15年2月から現職。座右の銘は「Pay it Forward(ペイ・イット・フォワード)」。
 ◆企業メモ◆ 食品物流大手として、温度管理物流を強みに共同物流事業、専用物流事業などを展開。2014年7月には、小口輸配送システム「キユーソースルー便」などのリードタイムを延長し、他社に先駆けてコンプライアンス(法令順守)重視を打ち出す。14年11月期の売上高は1507億8900万円、営業利益26億7200万円。今期は売上高1520億円、営業利益30億4千万円を見込む。

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